<大王製紙エリエールレディスオープン 事前情報◇15日◇エリエールゴルフクラブ松山(愛媛県)◇6575ヤード・パー71>
来季のフル出場権、すなわちシード争いが今週、決着を迎える。メルセデス・ランキング(以下、MR)55位で大会を迎える堀琴音は、「(気持ちは)いつも通り変わらない」と静かに開幕を待つ。
2021、22年とここ最近は2年連続で優勝を挙げたが、今季はここまで32試合に出場し13試合で予選落ち(棄権は1)と苦しいシーズンを過ごしてきた。6月には4試合連続予選落ちも経験。どん底から這い上がり、なんとか逆転シードが望める位置までは戻ってきた。「夏から比べるとここまで来ることができた。コーチに教わったことを一打一打やるだけかなと思っています。シード(圏内)にいければ」。狙うのはシードが得られるMR50位以内への浮上だ。
現在、ボーダーライン上の50位につける濱田茉優との差は56.60ポイント(pt)。最低でもこれを上回るポイントを稼ぎださなければ、逆転の可能性が出てくることもない。その条件は、57ptを稼げる『単独11位以上』だ。もちろん、上に行けば行くだけその可能性は高まってくる。「秋が好きですし、四国での開催なので調子は上がっているかなと思います」。出身地の徳島県と同じ四国での試合で、まずはこの“デッドライン”をにらむことになる。
あと一歩で初シード獲得まで迫っているのはMR51位の宮澤美咲だ。北海道出身の21歳は、昨年のステップ・アップ・ツアーで賞金ランク2位になり得た今季の前半戦出場権をリランキングでしっかりとつなぎ、ここまでたどり着いた。「(先週の予選落ちで)また51位になってしまったので、まずは今週は予選を通過したいです」。その先に初のシードが待っていると信じる。
いつもニコニコの笑顔がトレードマークの宮澤だが、もちろん「獲ってみたいです」とシードへの思いは強い。現在のMR51~55位という位置は、来季の前半戦出場権が約束されている。ただ「今年、最初のほうはリランキングが気になっていた。シードは1年間出られるので、気持ちに差が出ますよね。頑張ってシードを獲りたいです」と選手としては、やはり大きな違いがある。「見ないで気になるくらいなら見てしまいます」と、ここまでポイントランキングの動向もしっかりチェックしてきた。50位との差はわずかに8.90ptで、最低条件は『単独38位以上』というのも現実的な数字だ。
MR54位の脇元華も、19年以来となるシード獲得を目論む。50位との差は55.41ptで、やはり最低でも『単独11位以上』が必要になってくる。本人もポイント差は確認し、「優勝目指しながらですが、トップ10には入りたい」と最後のまくりへ意欲を燃やしている。「残り試合がこれしかないので、やりきるしかない。状態は悪くない。自信を持って最後までやりたいですね」。現時点の今季最終試合で、返り咲きを目指す。(文・間宮輝憲)