不幸中の幸いでシニアツアーの試合が無かったため、療養中に試合を欠場することはなかった。体にメスを入れて、体を動かさずクラブを握らない時間が長いだけに「自信ないですよ（笑）」という状態。芯に当たるかどうか半信半疑のまま振り続けた。

26位タイから最終日を出た岩崎は、「ポーン、ポーンっとやっていて、たまたまバーディが来て、またバーディが来てと。僕の中ではショットが良かったですね」と6バーディ・ボギーなしの「66」。気持ち的にも力が抜けていたことが奏功し、ユーティリティなど長いクラブでも好機を演出してリーダーボードを駆け上がった。

家族の存在も大きい。夏休み時期だったこともあり、夫人と長女夫婦、3人の孫が会場に駆けつけた。コース内で戦う姿を見せながら、夜は家族団らん。初日前夜には、コース内に設置された巨大なグランピングテントでバーベキューパーティが行われ、家族と一緒に参加した。肉の塊を炭火でじっくりと焼くアルゼンチン料理のアサードスタイルを楽しんだ。「お肉が柔らかかったし、むちゃくちゃおいしかったですよ。いいリラックスになりました」と高級肉に舌鼓しながら“夏休み”を満喫した。

初のトップ10入りで賞金ランキングは29位に浮上。来季のシード権獲得となる30位圏内に入った。自己ベストのスコアと成績に「こんな感じで回れたらいいのかなって、自信になります。体の心配がなくなったのでゴルフに集中したい。だけど力を抜いて、がんばらんとやっていきます。気楽に」。ケガの功名で肉体的にも気持ち的にも力を抜くことの大切さを感じた51歳の挑戦は、これからが本番だ。