<日本シニアオープン 事前情報◇11日◇千葉カントリークラブ・川間コース(千葉県)◇6811ヤード・パー71>
“元気”があふれる国内シニアメジャーの会場は、選手たちを“苦笑い”させるセッティングとなっている。大会前の練習ラウンドを覗いてみると、ラフに入ったボールを組全員で探しているシーンが多く見受けられた。
その長さは、ボールが丸々隠れてしまうほどで、セミラフのファーストカット、長めのセカンドカット、“あきらめ”のサードカットと3段階になっているホールもある。セカンドカットでもクラブヘッドを抜くのが精一杯。レギュラーツアーでメジャー7勝を誇る片山晋呉は、「シニアナンバーワンを決めるにふさわしいセッティングになっているかな」と難易度を表現。昨年覇者の藤田寛之は「実力のあるひとがやっぱり残るんでしょうかね」と、真の強さが試されると予想する。
その藤田は昨年優勝争いを演じた同門の宮本勝昌とコースをチェック。宮本がラフに入れば、藤田もその場に行き『これはすごいよ』と二人で苦笑しながらボールを眺めていることも一度や二度ではない。
「厳しいですよ。見つからないぐらいすごいところもあるし」と藤田が言うように、グリーン50ヤード手前のラフに宮本が打ち込むと、簡単に見つからずスタッフ含め全員でボール探しが始まる。やっと見つけて、大きくフルスイングをするもボールは20ヤードほどしか進まず、さすがに宮本もガックリ。シニアツアー出場2年目で通算2勝の“やり手”も最高峰のセッティングには苦しむことになりそうだ。
レギュラーの「日本オープン」がかつてこのようなセッティングで、選手を苦しめた。ラフから直接グリーンを狙わずに、“出すだけ”というシーンも増えそうだ。グリーン手前にバンカーがあるホールも多く、宮本は前半9ホールでは毎ホールと言っていいほどバンカーからの練習を繰り返した。
そんなラフ対策として、藤田はヤマハの7番ウッド(20度)を投入する。以前、片山から「ヘッドがボールを上げてくれる」と勧められ7番ウッドを使用していたことがあった。「ラフからも打てるし、(ほぼ同じロフトの)3番ユーティリティより高い球が出る」と今回の“豪ラフ”対策にもなり、210~220ヤードのグリーンを狙うショットが打ちやすいことと「高低や強い球、スピンをかけたりなどコントロールもできる」と連覇に向けて久しぶりの1本で攻略を図る。
久しぶりにツアー会場に選手として姿を現したツアー通算48勝の中嶋常幸も驚きの言葉を発する。「誤球がこわいよ(笑)。打った場所はわかっているのに、いざその場に行ったらないんだもん。すごいね~。大変だ」と今回の難セッティングに笑ってしまうほどだ。
だれもが「(ラフに)入れたくない」、入ると「下手したらトリも」とフェアウェイに置くことが優先となるシニアメジャーのセッティング。“曲げない男”が今年の“シニア日本一”の称号を得るのか?(文・高木彩音)