13日、茨城県の取手国際カントリークラブで、30歳以上45歳未満の女子プロによるペア戦「KURE LADY GO CUP 2025~Letʻs Move 30ʼs~」が行われた。有村智恵とペアを組んだ佐伯三貴が大会を振り返った。
結果は4位だったが、「すごく楽しかったです」とにこやかな表情を見せた。「ボギーを打たないように頑張ろうという目標でした。緊張したのは最後の3打目くらいですが、きょうイチのショットだったので、私はそっちが向いているなと思いました」。プレッシャーがかかる場面でこそ真価を発揮するあたりは、さすがとしか言いようがないが、それでも「(競技に)戻りたいとは思わないです」とあくまで純粋にゴルフを楽しんだ。
国内女子ツアーで通算7勝を挙げ、2019年の「大王製紙エリエールレディス」を最後にツアーの第一線から離れ、現在は、東北福祉大学ゴルフ部のコーチ、テレビ解説、さらにはYouTubeなどその活動は多岐にわたる。YouTubeの『佐伯三貴ゴルフchannel』は現在、16.9万人の登録者数を誇る人気チャンネルとなり、「ありがたいことに、選手の時より声をかけられます」とその反響は大きい。
昨年12月末には松山英樹とのラウンド動画も公開し、話題となった。東北福祉大学の同窓ということもあり二人の交流は深く、試合会場では見られない松山のリラックスした表情も印象的だ。普段から食事をすることはあるが、一緒にラウンドをするのは久しぶり。そして、動画を公開して、すぐ行われた米国男子ツアーの開幕戦「ザ・セントリー」で松山は通算11勝目を挙げた。「『すぐ勝てるじゃん』って話をしてたら、本当に勝っちゃった」と後輩の勝利を手放しで喜んだ。
松山とのラウンドは試合モードではなかったというが、「勝ち負けとなった時の一打の真剣な顔とか、素振りとか、やっぱり一流だなと思う。『絶対これを打つでしょ』っていうのが、アドレスから見てわかる。再現性の高さもある」と改めてその凄さを痛感した。「目標は永久シードだと言っていたので、すごくいい目標だと思いますし、後輩が世界で頑張ってもらうっていうのはすごくうれしい」。後輩の活躍を誰よりも願う先輩としての一面ものぞかせた。
さらに、米国女子ツアーでも日本勢の活躍は著しく、先週の「ブルーベイLPGA」ではルーキーの竹田麗央が勝利を挙げるなど勢いに乗っている。「私たちがゴルフを始めた頃、韓国人選手の勢いがあって、すごく勝っていた。それをいま、日本人選手がやっている。若い選手はどんどんチャレンジしてほしい」とエールを送った。
そして、自身の今後については、こんなビジョンを掲げる。「45歳からシニアが始まるので、そこも頭に入れながら。全米女子シニアオープンには出てみたい」。現在、40歳の佐伯にとってまだまだ時間はある。「ゴルフを楽しく、ケガをしない程度に」。自分のペースで、10年後の目標に向けて歩みを進めていくつもりだ。(文・齊藤啓介)