2018年に休養宣言し、試合から遠ざかっていた13年の賞金女王・森田理香子だが、7日(土)に開催される30歳以上の女子プロによるダブルス戦「センコーグループ LADY GO CUP」に出場する。マイナビ ネクストヒロインゴルフツアー第8戦 、PGMシリーズ「GRAND PGM CUP」で解説を務めた際、その真意について独占取材した。
LADY GO CUP
女性が輝く社会の構築を応援していくための、女子プロゴルフミドルトーナメント
2013年賞金女王・森田理香子が独占告白! 5年ぶり実戦復帰は「自分のためじゃなくて…」
2018年に休養宣言し、試合から遠ざかっていた2013年の賞金女王・森田理香子だが、7日(土)に開催される30歳以上の女子プロによるトーナメント「センコーグループ LADY GO CUP」に出場する。
配信日時:2023年10月5日 05時00分
2018年に休養宣言し、試合から遠ざかっていた13年の賞金女王・森田理香子だが、7日(土)に開催される30歳以上の女子プロによるダブルス戦「センコーグループ LADY GO CUP」に出場する。マイナビ ネクストヒロインゴルフツアー第8戦 、PGMシリーズ「GRAND PGM CUP」で解説を務めた際、その真意について独占取材した。
祖父が練習場を営んでいたこともあり、8歳からゴルフを始めた森田。アマチュア時代から「日本女子オープン」でローアマに輝くなど活躍し、08年にプロ入り。10年の「樋口久子IDC大塚家具レディス」でツアー初優勝を挙げ、13年には横峯さくらに僅差で競り勝って賞金女王に輝いた。しかし、その後は調子を落とし、18年に休養宣言した。
■休養期間で見えたもの
「休むのも大事やと思いました。久美ちゃん(金田久美子)が11年ぶりに勝って、ずーっと出てすごいなって思うけど、私は当時頭がいっぱいになってしまって、ゴルフを絶対嫌いになると思ったから休んだんです。休んでそのままフェードアウトもありますけど、休んだ間にいろんな人との出会いがあって、考えることもあって、もう1回、どんな形であれゴルフに携わっていけたらいいなって思いました」と、森田は切り出す。
「ゴルフしかないんでね。他の仕事できひんし」と、休養期間中は国内女子ツアーやステップ・アップ・ツアー、ネクストヒロインツアーなどで解説を務めたり、自身でプロデュースするゴルフアパレルに携わったりと、ゴルフ業界に身を置き続けた。そんななか、どうして出場を決意したのか。
■“応援してくれる人のため”に試合への出場を決意
「休養期間を5年ほどいただいて、ゴルフと向き合う時間になりました。今は、すごく楽しくゴルフができているし、いろいろな人から『またゴルフをする姿を見たい』といわれるので、そろそろやってもいいかなと。応援してくれはる人がいるので、生存報告じゃないですけど、元気だよ!と伝えられる場にできればなって」と笑顔で話す。
いつ頃から復帰を考え始めたか問うと「本当に最近ですね」と返ってきた。「アプローチが嫌で休んだんですけど、考え方やなって思うようになって。克服したいと思ってやっていたけど、今は『なってしまったものは仕方ないから、考えすぎないようにしよう』と考えが変わってきたし、同じような悩みを抱えるいろんな人の話を聞いて、ちっちゃいことで悩まんでもいいよなって」と現状を受け入れたことで、気持ちが変化した。
さらに、試合に出る意味についても言及する。「試合に出てるときは『勝たないと』と思ってました。ただ、今はスポンサーさんもゼロの状態で、もちろんプロギアさんにはよくしてもらってますけど、誰にも迷惑をかけず自由にできるっていうのがよくて。自分のためじゃなくて、自分の周りの人のために頑張ろうって思ってます。私を応援してくれる人が少なからずいてくれはるから、その人たちにいい姿を見せられたらなと」。
■QT受験、ツアー復帰も選択肢に
「優勝しているので推薦もいただけて、自分が今まで優勝してきたご褒美やと思うから、それは有効的に使いたい。昔はレギュラーツアーだけで、正直、(下部の)ステップ・アップ・ツアーには出たくないと思っていましたけど、QTとかステップ・アップ・ツアー、それ以外にも『LADY GO CUP』みたいな非公認の大会もあるので、いろいろチャレンジしたいですね。見ていて面白いし、1日大会でも出たいなって思っていて、『ツアーだけに出たい!』というわけではないんです」とツアー復帰を示唆しつつ、いろいろな挑戦を考えている。
「いまの仕事をしながら、試合に出るっていうのが理想ですね。そういう考え方もあるんや、こんな選手もいるんや!という感じで見てもらえたらなと思います」。これまでの誰かとは違う、森田だけの新たな道を切り開いていくことになる。
ただ、ツアーへの挑戦はまだ先になりそうだ。「芝から打つ練習をあまりしてなくて、マットでずっとやっていたから試合感が失われていました。でも最近、プロと一緒に回ることが増えて、みんな普通にアンダーで回ってくる、簡単に。今までお客さんと回っていたから、アンダーパーを出せる人ってなかなかいなくて、それに慣れちゃってたんです。でも『これやこれや』って、上手い人と回って、感覚が戻り始めてる。それでもまだ、一緒にゴルフする人を見て、自分もこうやってたんやなって振り返って、取り戻す時間も必要やから、今年のQTは出ません。ただ、来年以降、選択肢にはあります」と、明かしてくれた。
■ダブルス戦には同級生の宮里美香と出場!
「同級生の(宮里)美香ちゃんとペアで出ます。『出ようよ!』と以前から話していたんですけど、8月はちょうど仕事が入っていて出れなくて。10月ならって話したら、美香ちゃんが『旦那さんが子ども見てくれるなら行ける!』となって、旦那さんからOKが出ました」
続けて、「ただ、ちょっと迷惑かけるやろなって。美香ちゃんトレーニングもしてるし、産後すぐ3アンダーで回ってましたよ(笑)。みんなで『おかしいでしょ……』って話してました」と、宮里の足を引っ張るかもしれないことを不安に感じつつも、「私もうまいっす」と自信満々な表情も見せる。
ゴルフの状態としては「80打つときもあるし、アンダー出るときもあるし、まだ波がありますね」と森田。続けて「狭いところは苦手です。ちょうど飛ぶ距離が狭いことが多くて」と飛ばし屋ならではの悩みもあるようだ。「(大宝塚GC)西宮の9番で、グリーン奥の池に入れちゃいました」と、ネクストヒロインツアー第8戦の視察ラウンドの際、280ヤード以上先のグリーン右奥にある池に入れたという驚きのエピソードもある。
「距離が衰えないんですよ。むしろ飛んでるくらい」と本人も話すが、努力なくしてあるものではない。「週3くらいはトレーニングしてます。現役のときよりやってますね。ずっと試合があったので、そんなにあれやったんですけど、今は重たいものも上げてますし」。そしてもう一つ「試合に出てるときは曲げたくなくて、スイングが小さくなってたんですよ。この休養期間で体も改善されて、体の構造がこうで、呼吸がこうでってちっちゃいことを考えないようになりました」と、思い切りのいいスイングができていることも飛距離アップにつながっている。5年ぶりの復帰戦では、森田の飛ばしっぷりに注目だ。
■今大会は“優勝”よりも同級生とのラウンドを楽しむ
「流石に優勝までは……どうなるか想像つかないですね。まずは美香ちゃんに会うことが楽しみです。ご飯はこの前食べたけど…いつやったかな?ってくらい前なので。ゴルフは美香ちゃんが結婚する前に行った以来ですし」と、切磋琢磨してきた仲間との食事やラウンドを心待ちにする。久しぶりの試合の場。森田がどんなプレーを見せるのか期待がかかる。
■森田理香子
もりた・りかこ 1990年1月8日生まれ。京都府京都市出身。ツアー通算7勝。08年にプロ入りし、10年の「樋口久子IDC大塚家具レディス」でツアー初優勝。13年には年間4勝を挙げ、23歳で賞金女王に輝いた。18年を最後にツアーから撤退し、現在はゴルフウェアのプロデュースや、ゴルフ中継の解説などで活躍している。森田がプロデュースしているゴルフウェアのオリジナルブランド『yummy rose』はネットで販売中。
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