<KURE LADY GO CUP 最終日(1日競技)◇26日◇取手国際ゴルフ倶楽部(茨城県)>
30歳以上の女子プロゴルファーを対象としたワンデーのペアマッチ「KURE LADY GO CUP」。今季限りで日本ツアー引退を表明しているイ・ボミと2021年に引退したキム・ハヌル(ともに韓国)の同級生コンビが実現した。
1988年生まれの二人が、久しぶりに日本のゴルフ場で笑顔を見せてくれた。ハヌルは日本引退試合となった2021年10月「マスターズGCレディース」以来の登場。二人がコンビを組むのは2012年の日韓対抗戦以来、2度目だ。今回はボミが誘ってハヌルも出場を決めた。
「ハヌルは(試合が)2年ぶりなのでドキドキ、緊張していたんですけど、私は楽しくやることが目標だったので、朝から『リラックスして』って声をかけていました」(ボミ)と一日を楽しむことを心がけたという。
スタート時から雨が降り続き、二人で1つの傘に収まったり、グリーン上ではラインを一緒に読むなど、共闘した。前半はベストボール方式で後半は1つのボールをを交互に打つオルタネート方式。ボミ&ハヌル組はスコアカードどおりの「72」で12組中8位タイという成績だった。
ホールアウト後のボミは「目標どおりノーボギー、100点。お互い性格が似ていて、遠慮しながらプレーしてました。だからボギーもバーディもなし(笑)」と話したが、スコア以上に得たものが大きい。「ハヌルと同じチームですごく楽しかったです。また一緒に出たい」とボミがいえば、ハヌルは「2年ぶりの試合で緊張しましたけど、ボミと出られて楽しかったです」とゴルフ場で同じ時間を共有できたことに喜びを感じた。
ハヌルは日本で引退してから初めての試合。スタートホールのティショットでは、インパクト直後に大きな笑い声を出して腰から砕けた。ボールは真っすぐ飛んだが「声の大きさに私がビックリ(笑)」とボミも大笑い。「最近TVの仕事やYouTubeとかやってて、私が面白くなりました」(ハヌル)とツアーを戦っていたときとは違う表情が見られるのもこの大会の醍醐味(だいごみ)だろう。
ボミは11年から日本ツアーに参戦して、通算21勝を挙げている。15年から2年連続賞金女王。“スマイル・キャンディ”の愛称で親しまれている。一方、ハヌルは15年から日本ツアーに本格参戦。通算6勝を挙げ、16年、17年は賞金ランキング4位に入っている。愛称は”スマイル・クイーン”。二人とも強さと笑顔で日本女子ゴルフ界を盛り上げた。一日限りの”スマイル”コンビが日本のゴルフファンにスマイルを届けられた、この大会の役割は大きい。
ボミは今後、5月の「ブリヂストンレディス」、6月の「サントリーレディス」、「アース・モンダミンカップ」に出場を予定している。