13日、茨城県の取手国際カントリークラブで、30歳以上の女子プロによるペア戦「KURE LADY GO CUP 2025~Letʻs Move 30ʼs~」が行われ、吉田弓美子&テレサ・ルー(台湾)コンビが優勝を果たした。
15組の女子プロによるペアマッチで、前半の6ホールはお互いが同じ場所から打って良い方の球を選択していくスクランブル方式、後半の6ホールは1個のボールを交互に打っていくオルタネート方式で行われた。12ホール終了時点で上位3ペアが決勝に進出した。
優勝決定戦(オルタネート方式)では、まずはルー&吉田が、大江香織&川満陽香理ペアに勝利。続いて下川めぐみ&照山亜寿美にも連勝して優勝を決めた。
ルーのオファーにより実現したこのコンビは、ともに1987年生まれの37歳。さらにルーは、昨年の9月に男児を出産。ツアーを産休中で、今大会は復帰戦でもあった。「1試合目なので、緊張しました。この優勝で、もっと頑張って、もって練習して、本戦(レギュラーツアー)に行って優勝できたら」。ママになったルーは、柔らかい表情で優勝の喜びを述べた。
ただ、試合中はもちろん真剣モード。ショットを打つ前のルーの眼差しは、まさに“勝負師”の顔。これには吉田も「だんだん試合ムードになっていくテレサ・ルーちゃんを見ることができた楽しさがありましたが、緊張感も出てきて、勝負師の顔になってきた。あのリズムと空気感を絶対になくさないほうがいいと思って、自分もだんだん試合ムードになって、『やらなきゃ』という風になりました」。ツアー通算16勝を挙げるルーが作り出す空気に触発されながら、ツアー通算7勝を挙げる吉田も実力を思う存分発揮した。
さらに、優勝決定戦ではショットを打つ前に2人で長く話込む姿も印象的であった。「事前に練習ラウンドをやらせてもらったなかで、どう攻めたいか。そこの話し合いとかはしましたね。パッティングに関しては、彼女(ルー)が絶対に決めてくれる。ショットは、自信があったので、自分がいかにショットで、チャンスを作っていけるか、ひたすら考えていました」と吉田。実力者同士の息のあったプレーで優勝を手繰り寄せた。
最後に、今シーズンへの意気込みも口にした吉田。「個人としてのゴルフ力はまだ全然ですけれども、きょうは本当に良い空気感で、試合というのをやらせてもらった感じがあったので、この経験を無駄にすることをなく、ステップ・アップ・ツアーで、自分の開幕戦に向けて、しっかり調整をしていきたい」。この大会での勝利は、今シーズンに向けて大きな弾みとなった。(文・齊藤啓介)