LIVゴルフで活躍した24歳、エウヘニオ・チャカラ(スペイン)がリーグの体制を批判したと、海外メディアの『Golf Channel』が報じた。
元アマチュア世界ランキング2位のチャカラは、オクラホマ州立大学からプロ転向してLIVゴルフに参加。2022年のバンコク大会でわずか5試合目にして優勝を果たした。
しかし、LIVでの勝利にもかかわらず、キャリアの転換期を迎えている。セルヒオ・ガルシア(スペイン)率いる「ファイアボールズGC」のメンバーだったチャカラは、2025年シーズンを前に再契約されず、LIVゴルフを離れてPGAツアーへの挑戦を決意した。
チャカラはゴルフメディア「Flushing It」とのインタビューで、「LIVが与えてくれたものには感謝している」と前置きしながらも、LIVゴルフ加入時に受けた「世界ランキング(OWGR)のポイントやメジャー大会への出場資格が得られる」といった約束が果たされなかったことへの不満を明かした。
「LIVに入ったとき、OWGRとメジャーへの道を約束された。でも、それは実現しなかった。僕は彼らを信じたけど、OWGRやメジャー大会への道はまだ開かれていない」
LIVでプレーした選手がリーグの内情を明かすのは、極めて異例だ。さらにチャカラは「LIVで優勝しても、人生は変わらない。お金がもらえるだけなんだ。それに対してPGAツアーでは、勝つことでメジャー大会への道が開け、人生が一変する。僕が求めているのは大金じゃない。マスターズやライダーカップに出場することなんだ」とも語った。
自分の現状を同世代のトップ選手と比較している。同い年のルドビグ・オーバーグ(スウェーデン)はアマチュア時代からしのぎを削ってきたライバルだが、いまやその差は大きく開いたと感じているようだ。
オーバーグは2023年のPGAツアー「ザ・RSMクラシック」で初優勝を飾り、世界ランキング6位にまで登り詰めた。チャカラもLIVで勝利を挙げたものの、「僕もアーベルグも同じ1勝ずつ。でも、彼はPGAツアーやヨーロピアンツアーの大きな大会に出場して経験を積んでいる。一方で、LIVでは若手が勝っても誰も話題にしてくれない」と注目度の違いを嘆く。
そして今、チャカラは幼い頃から憧れてきたPGAツアーを目指している。「LIVが存在しなかった頃、僕はタイガー・ウッズがPGAツアーで勝つ姿を見て育った。だから、その夢を実現したいんだ」と出場資格を得るための方法を模索中だ。規定によりLIVの最終出場から1年間はPGAツアーに出場することができないため、今後は欧州やアジアンツアーに参戦して夢舞台への道を探る。
「この決断が正しいかどうかは分からないけど、自分の心に従うことにした。それが僕を目覚めさせ、努力し、向上し続けるモチベーションになるんだ。そして、いつかPGAツアー選手になれる日が来ると信じている」。24歳の若き挑戦者が、新たなゴルフ人生を歩み出した。