昨年12月、ジョン・ラーム(スペイン)のサウジアラビアの政府系ファンドが支援する「LIVゴルフ」に電撃移籍し、ゴルフ界に激震を走った。2月にメキシコで開幕したLIVゴルフには、2試合に参戦しているラーム。25日は、米スポーツ専門TV局のESPNが日曜朝に放映するスポーツセンター内のスペシャルインタビューに登場し、現在の胸中を吐露した。
移籍後、ラームの選択を支援したのは盟友のローリー・マキロイ(北アイルランド)で「公にも私的にも僕の選択を支持してくれた。とても心が助けられた」とラーム。当初は反LIVゴルフの急先鋒だったマキロイだったが、今はやや方向転換。「LIVゴルフの選手もライダーカップに出場できるべきだ」とし、ラームの2025年のライダーカップ入りを望んだ。さらにマキロイは「これまでLIVゴルフに行った選手を批判しすぎていた。PGAツアーへ戻れる道を作るべきだ」とも発言している。
しかし、タイガー・ウッズ(米国)とは「連絡が取れていない」とした。「近しい人には自分の気持ちを伝えようとテキストメッセージを送った」というが、どうやらタイガーからは返答がなかった模様だ。また、PGAツアーのジェイ・モナハン会長とも「まったく連絡をとっていない。彼は忙しいから」と語った。
ラームがLIVゴルフ移籍を決めた理由の中の1つに「マスターズに勝ったこと」と挙げている。「マスターズ・チャンピオンになったことで決断が大きく変わった」とラーム。生涯にわたってマスターズへの出場権を獲得、また少なくとも5年は他のメジャー大会へ出場できることも大きかった。さらに、昨年6月にPGAツアーがサウジアラビアの政府系ファンド、PIFとの統合を発表したことも大きな理由。「いずれ1つになるかもしれない。僕は自分のチャンスを逃すべきではなかった」とした。
LIVゴルフに移籍するにあたり心配だったのは「メディアやファンから批判を受けることだった」と話し、「今でもPGAツアー、DPワールドツアーを大きく支援している。もし許されるなら出たい試合はたくさんある」と希望を話した。
2月に自身がホストを務めるPGAツアーの「ジェネシス招待」で10カ月ぶりのツアー復帰を果たしたタイガーは、インフルエンザのため2日目のラウンド途中で大会を棄権した。(文・武川玲子=米国在住)