昨年8月、LIVゴルフを戦う選手、フィル・ミケルソン、テイラー・グーチ、パット・ペレス(いずれも米国)、イアン・ポールター(イングランド)、エイブラハム・アンサー(メキシコ)ら11名は、他ツアーへの出場を制限、出場停止処分としたPGAツアーに対し「独占禁止法違反」に当たるとして、北カリフォルニアの裁判所に提訴。その後「LIVゴルフ」も原告として名前を連ねた。
それに対し、PGAツアーは反訴し、現在はLIVゴルフを保有するサウジアラビアの政府系ファンド、パブリック・インベストメントも含み裁判が続いている。
「LIVゴルフ」が加わったことで、提訴を始めたミケルソンらが個人の名前を削除。先週、ピーター・ユーライン(米国)も取り下げたことで、ブライソン・デシャンボー(米国)とマット・ジョーンズ(オーストラリア)の2人だけが残されていた。
ところが11日、デシャンボー、ジョーンズともに名前を削除し、これで裁判に名前を連ねる選手はゼロとなった。
デシャンボーのエージェントは名前の削除を認めた上で、「現在LIVゴルフとPGAツアーが係争中のため、訴訟をLIVゴルフに委ねることにした。ブライソンは高いレベルでのプレーを続けていくこと、世界でゴルフが発展することに集中していく」とコメントした。米ゴルフチャンネルはジョーンズのエージェントにも削除は確認したが、「理由はまったくない」とした。
提訴した選手らの弁護士は当初はツアーから出場停止となった選手の利益を守るために、迅速な裁判を求めていたが、情報の開示などを求められるディスカバリが行われた結果、裁判は2024年5月に予定されている。(文・武川玲子=米国在住)