先週、日本の久常涼とともに今年の「マスターズ」への特別招待を受けたのは、LIVゴルファーのホアキン・ニーマン(チリ)だった。オーガスタ・ナショナルGCは、たとえどこのツアーで戦っていても世界のトッププレーヤーが集まる大会にする、という姿勢を見せたのだが、残念ながら今のところテイラー・グーチ(米国)には朗報は届いていない。
今週、LIVゴルフの第3戦、ジェッダ大会に参戦するグーチは、オーストラリア・ゴルフダイジェストのインタビューで不満をあらわにした。
「マスターズは世界のトッププレーヤーが集まっている大会ではない。もしローリー・マキロイがそこで勝ったとしても、それはグランドスラムなのか? メジャーだというなら、世界のベストプレーヤーがそろう大会であるべきだ」
グーチは2023年のLIVゴルフで3勝、同リーグの“プレーヤー・オブ・ザ・イヤー”に選出された。しかし、昨年は「マスターズ」で34位タイと優勝争いに絡めず、「全米プロ」「全英オープン」はともに予選落ち。DPワールド(欧州)ツアーの「アルフレッド・ダンヒル・リンクス選手権」は途中棄権だった。LIVゴルフは世界ランクのポイントを獲得できないため、現在はランキング449位まで落ち込んでいる。メジャー大会の出場権は、今のところ一つも獲得していない。
ベテランのLIVゴルファー、リー・ウェストウッド(イングランド)は「世界ランキングは大きな穴が開いている」と批判。「システムが時代遅れ。世界のゴルファーを公平にランキングにできていない。もう過去にはさかのぼれないから、正常にはできない」と怒りを語った。これらのコメントに対して、X(旧Twitter)では論争が起きている。(文・武川玲子=米国在住)