<ザ・アニカ・ドリブンbyゲインブリッジatペリカン 2日目◇10日◇ペリカンGC(米フロリダ州)◇6349ヤード・パー70>
苦しいプレーが続いた渋野日向子が、最終ホールをバーディとして、なんとか予選を突破。2バーディ・5ボギーの「73」で3つ落とし、トータル1アンダーは62位タイ。「首の皮一枚つながった」というラウンドで、表情は疲れ切っていた。
1番をバーディ発進としたが、その後はチャンスを決めきれずに、しびれを切らした7番パー5で痛恨のミス。パー5の3打目は打ち上げで左奥のピン。奥行き10ヤードの幅に落としてバーディを狙いにいったアプローチは無情にもオーバー。寄せきれずにボギーを喫し、続く8番でもアプローチ、パッティングともに失敗して連続ボギー。流れを悪くし、後半へと向かった。
すると10番でもボギー。13番、15番でも落とした。決めたい3メートルほどのバーディパットがすべて一筋違い。前日はおもしろいように決まったグリーン上でスコアを落とし、ついに貯金を吐き出した。
「獲れるところはあったと思うし、決め切れなかったのがこういう結果になった。ひどい流れだった」。踏ん張りがきかずに、17番を終えた時点でトータル1アンダーの予選カットラインに一打及ばない窮地。それでもピンを攻めた池越えの2打目はピン4メートルについた。「これが入らないと望みもないから」と、強くヒットしたバーディパットはカップに吸い込まれ、なんとかカットラインまで再浮上した。
朝一番のスタートのため、ホールアウト後には後続の結果を待つしかなかった。「あした以降の準備をするだけ」と前を向き練習場に向かい打ち込んだが、全組がホールアウトしてかろうじて週末行きの船に滑り込んだ。
「やっぱりシードは取るべき」と強い気持ちで臨んでいる最終戦。年間ポイントランキングで81位の渋野より下位の選手が上位で予選突破を決めており、ここからは来季のフル出場権を目指す最後の戦いに向かう。最終ホールで奪った意地のバーディは、残り36ホールに希望を持たせる。悔いの残らないプレーで1年間を締めくくる。(文・高桑均)