「素でいられること」。全英女子オープン優勝の快挙を成し遂げた渋野日向子の強さの源、そして世界中を感動させた根本が、ここにある。
優勝から一夜 渋野日向子は何を語った?【翌日インタビュー】
本当の自分自身に素直でいることは、簡単なようで非常に難しい。「空気を読む」という言葉がやたらに使われる現代の日本社会においては、大人はもちろん、子供のうちから集団生活の中でこれができない状況に追い込まれることが多い。周囲に気を使い、力のあるものにおもねる。本心を表に出すことで波風が立つのを恐れ、自分の気持ちに蓋をし続ける。そんな生活が日常になるうちに、いつしか、自分自身の『素』がどこにあるのかすらわからなくなってしまうことも珍しくない。あるいは、心のどこかでそれを見るのを恐れているのか。
今年の春先、渋野をじっくりと取材する機会に恵まれた。シーズン第2戦、PRGRレディス最終日に、大山志保、鈴木愛の歴代賞金女王と同じ最終組でプレーする姿をテレビで見て、取材を編集者にプッシュしてのことだった。笑顔が自然なことも大きな理由。結果的には6位タイに終わったが、実力者2人を前にマイペースでプレーしているように見えたこともある。
すぐに翌週、取材が実現した。約束の練習日。練習場であいさつし、声をかけると、返ってきたのは、「よろしくお願いします。○時頃でいいですか?」というハキハキした返事。練習を終えて取材を始めると、ごく自然な言葉でのやり取りが続いた。初めてゆっくり話す相手に対して、きちんと敬意を払いつつも、構えることもなく自分の言葉で話す。訓練されてのものではなく、当たり前にそれができる選手は、実は非常に珍しい。渋野はそれができていた。
昨今、日本の女子プロはメディアへの露出が比較的多い。ジュニア時代からそれに慣れている選手も多く、意識している場合もしていない場合も、セルフブランディングは当たり前になっている。もちろん、彼女たちにとっては取材を受けるのも大事な仕事。露出するからこそ試合ができるのだし、そこで賞金を稼ぐことができる。個人にスポンサーもつくプロアスリートなら当たり前のこと。セルフブランディングをするのは、決して悪いことではない。それを見慣れている目には、渋野はものすごく新鮮に映った。
優勝から一夜 渋野日向子は何を語った?【翌日インタビュー】
本当の自分自身に素直でいることは、簡単なようで非常に難しい。「空気を読む」という言葉がやたらに使われる現代の日本社会においては、大人はもちろん、子供のうちから集団生活の中でこれができない状況に追い込まれることが多い。周囲に気を使い、力のあるものにおもねる。本心を表に出すことで波風が立つのを恐れ、自分の気持ちに蓋をし続ける。そんな生活が日常になるうちに、いつしか、自分自身の『素』がどこにあるのかすらわからなくなってしまうことも珍しくない。あるいは、心のどこかでそれを見るのを恐れているのか。
今年の春先、渋野をじっくりと取材する機会に恵まれた。シーズン第2戦、PRGRレディス最終日に、大山志保、鈴木愛の歴代賞金女王と同じ最終組でプレーする姿をテレビで見て、取材を編集者にプッシュしてのことだった。笑顔が自然なことも大きな理由。結果的には6位タイに終わったが、実力者2人を前にマイペースでプレーしているように見えたこともある。
すぐに翌週、取材が実現した。約束の練習日。練習場であいさつし、声をかけると、返ってきたのは、「よろしくお願いします。○時頃でいいですか?」というハキハキした返事。練習を終えて取材を始めると、ごく自然な言葉でのやり取りが続いた。初めてゆっくり話す相手に対して、きちんと敬意を払いつつも、構えることもなく自分の言葉で話す。訓練されてのものではなく、当たり前にそれができる選手は、実は非常に珍しい。渋野はそれができていた。
昨今、日本の女子プロはメディアへの露出が比較的多い。ジュニア時代からそれに慣れている選手も多く、意識している場合もしていない場合も、セルフブランディングは当たり前になっている。もちろん、彼女たちにとっては取材を受けるのも大事な仕事。露出するからこそ試合ができるのだし、そこで賞金を稼ぐことができる。個人にスポンサーもつくプロアスリートなら当たり前のこと。セルフブランディングをするのは、決して悪いことではない。それを見慣れている目には、渋野はものすごく新鮮に映った。