そのプレーオで流れを生かしたのはミンジーだった。1ホール目の18番パー5。フェアウェイからの残り190ヤードを6番アイアンで打つと、グリーン前の池を越えピン右奧3メートルに2オン。「私は5番アイアンと思ったがキャディが6番と言った。言うことを聞いて良かった」とグリーンは大歓声に沸いた。

一方のジョンウン6は、重圧の中で放ったショットが「ひどいショットだった。プレーオフに入ったときは勝てると思ったのに…」とグリーンに届かす手前の池に落とすと、3メートルのパーパットも外れ結果はボギー。「プレーオフに入ったときはまだ勝てると思ったのに…、残念だった」と大敗に肩を落とした。

7打差からの大逆転はカリー・ウェブ（オーストラリア）とパティ・シーハン（米国）に並ぶ女子メジャー史上タイ記録。オーストラリア勢としてもウェブ、ハナ・グリーンに続く3人目のメジャーチャンピオンとなった。

ミンジーは前週、笹生優花とペアを組んで「ドウ・グレート・レイクス・ベイ招待」に参戦し5位。そして今週はメジャー勝利と勢いに乗って東京五輪を迎える。

「16年のリオ（7位）からずっと五輪で勝つことを目標としてきた。オーストラリアのためにいいプレーをしたい」とエキサイトするミンジーは、一度テキサス州の自宅に戻り、そこから東京へ向かう。（文・武川玲子＝米国在住）