「メジャーに勝ちたいという気持ちは6年目でどんどん高まっていると思いますし、そのためにどこで調子を上げて、どこで休むか、ということもコントロールできる。メジャー優勝は間違いなく近いですし、できるのではないかと思います」。日本のエースとして現在のロレックスランキング（世界ランキング：RR）は最上位の6位。昨年は2勝を挙げるなど、参戦5年で通算5勝。6年目を迎える今季、期待されるのはやはりメジャー大会で優勝カップを掲げる姿だ。

畑岡自身も今季の目標を『メジャー優勝』と『年間3勝以上』に置いている。コースは違えど、2年前の開幕戦ではプレーオフにまで進出。日没のため月曜日に持ち越しとなった“延長戦”で敗れはしたが、2位に入った。今年もスタートから優勝争いに加わり好成績を残すことができれば、一気に目標へと近づく。開幕戦の舞台は畑岡が拠点とするコースで慣れも有利に働く。「畑岡選手は技術、体力、メンタル面、すべてが整っています」。通算6勝目が初戦で達成されれば、一気に突っ走ることになりそうだ。

■ルーキーで予選落ちが一度もなし　笹生優花の強さの秘密

昨年6月、19歳という若さで「全米女子オープン」を制した笹生優花。片平は「ゴルフが大好きなんだろうなと感じます。うまくなりたいという気持ちが強くて、そのためにどうしたらいいのかを常に考えているのではないでしょうか」と説明する。日本人選手の中ではトップクラスの飛距離を誇り、そこが注目されがちだが、「飛距離もそうですが、高い球が打てますし、球を止めることができるのも強みです。さらにグリーン周りのアプローチも種類が多く、いろんな芝の対応も本当にうまいです」という強みが、メジャーなどの難コースで結果につながっている。

ジェシカ・コルダやステイシー・ルイス（ともに米国）、ミンジー・リー（オーストラリア）といったトッププロに対しても臆せず話しかけるのが笹生。「コースマネジメントなどの質問をぶつけたり、それを生かしているのが強みだと感じます」。すでにツアーのなかでも妹的な存在として目をかけられる人柄も、笹生の躍進を後押ししている。

「笹生選手はいつも『楽しむ』と『学ぶ』という言葉を使います。開幕戦はチャンピオンだけが集まると同時にセレブリティやほかのスポーツ選手もたくさん出場して、音楽を流したりと華やかな雰囲気です。普段の試合と違いますが、同伴のアスリートとも話す機会が多く、勉強になる部分もあるはずです。そういう意味では、笹生選手にはプレーしやすい大会だと思います」。人なつっこく勉強熱心で、「プロアマ戦が好きだと話しています」という笹生が、いきなりビッグな結果を叩きだすにはもってこいの舞台といってもいい。