「最近のLPGAは毎年レベルが上がっていて、新しい選手が優勝するようなケースも増えています。昨年はフィンランドの（マチルダ・）キャストレン選手やタイの若手選手でも魅力的な選手が多く出てきました」と、群雄割拠の様相を呈している。そんな流れが今季も続くと片平は見ている。「この前のQシリーズで1位になった韓国のアン・ナリン選手、2位に入ったフランスのポーリーヌ・ルサン-ブシャール選手などは、すぐにでも活躍できる実力があります」。

「ANAインスピレーション」でツアー初優勝を遂げたパティ・タバタナキト（タイ）をはじめ、圧倒的な強さで優勝をもぎ取る選手が増えたのは間違いない。「新人でも『緊張感がないのか』と思うようなプレーぶりが目立っています。はじめての優勝争いでもバーディ合戦を演じて、一切ブレーキを踏むことがないんです。そういう選手が今年も大勢出てきそうです」。

そこに加わるのが、Qシリーズを7位で通過した古江彩佳と20位でツアーカードを取得した渋野日向子だ。「古江選手の特筆すべき点はメンタルの強さです。小柄ですが体力もありますし、ショットの安定性などももちろんですが、優勝争いに絡んでいく回数も多いのではないでしょうか」。国内ツアーの最優秀選手賞を受賞、アマチュア優勝を果たすほどの卓越したメンタル、完成された技術面が米国でさらに花開くことになる。

古江は出場選手が優勝者に限られている開幕戦こそ出られないが、2戦目と3戦目にはすでにエントリー済。一方、渋野は現在ウェイティングの状況で出場可否は不透明だが、3月以降本格化するツアーは出場人数が増えるため、出場できる公算が高い。

「畑岡選手、笹生選手、古江選手、渋野選手はいつ優勝争いをしてもおかしくないと思います。渋野選手はどの試合に出られるか、というスケジュール面でも苦労することがあるかもしれませんが、メジャーは全試合出られますし、それを生かして前半戦を過ごせば、後半はストレスなくプレーできると思うので、前半戦をどう戦うかがカギだと思います」。海外メジャー優勝という実績を考えれば、中心選手としての活躍も期待できると片平はいう。

日本勢最強の布陣で挑む今季の米ツアー。誰が開幕戦から飛び出すのか、そして日本勢が何勝を挙げるのか。興味が尽きないシーズンになりそうだ。