また、スポンサー推薦やメジャー制覇の資格ではなく、昨年のQシリーズ20位の資格での出場は、組み合わせもこれまでとは異なるものだった。ルーキーは決まって早朝か午後の遅い時間に組み込まれる。御多分に漏れず、渋野の初日は午後の遅い組だった。

さらに米ツアーの洗礼ともいうべきか、マイペースの選手と同組に。日没サスペンデッドにならないように渋野が急いでも、我関せずといったところ。午後の最終組の1つ前から出た初日はギリギリ日没には間に合ったが、辺りは真っ暗。午前スタートの2日目にも2度の警告を受けて、組全員が走り出す事態となった。

「意味は完ぺきには分からなかったけど、まぁ（競技委員から）言われるよなぁと。昨日のスタートホールから、『これ、やべーぞ』と思っていました。いやぁ、回る人のテンポも大事なんだなと気づきましたね。これまでレベルの高い人と同じ組にさせてもらうことが多かったのですが、みんな速くて遅い人はいなかった。こっちに来て、また新しい経験ができた。いろいろ経験しつつ、自分も速くできるようにしようと思います」

日本ではなかなか得られないことを体験しつつも、できる限りの対処をして予選突破を決めた渋野。ラウンド後には抜き打ちのドーピング検査を受けるなど、様々な初体験をしながら、ツアーメンバーとして大きくなっていく。（文・秋田義和）