突き詰めて考えれば、いつも同じプレーはできない。自分の体調も、メンタルも同じではない。風雨がつきもののゴルフは、コースだって分刻みに状況は変わる。一打一打が一期一会なのだ。

それだけにプロたちはスイングの再現性を高め、メンタルを整え、己のレベルをアベレージで上げてゆく。平常と同じく試合に臨んだことを淡々と話した笹生は、そのことをよく分かっているのだ。不本意な結果にも動じないところに、全米チャンピオン笹生のスゴさがあった。

メジャーの試合はまだ残っている。笹生が強さを見せるチャンスは、まだある。「（今後の）スケジュールは変わりません。いつも通りやりたいです」と締めくくったが、「いつもどおり」と話したところに笹生の負けん気と強い気持ちが表れていた。