ただし、難コースといえども日本勢が惨敗する印象は全くない。「いまの日本女子は、韓国勢のようにかなり世界基準の選手が多い。レベルが上がっています」と見ている。田中がいうように2週前の海外メジャー「アムンディ エビアン・チャンピオンシップ」で西郷真央が3位に入り、先週の「トラストゴルフ・スコティッシュ女子オープン」では古江彩佳が米ツアー初優勝と結果が物語っている。

■想定外だった古江彩佳のルーキーイヤー初V

「古江さんには申し訳ないけど、今年勝てるとは思っていませんでした。ショットの精度が高く優勝争いをするゴルフですが優勝までとは…」。最終日に「62」をマークして逆転優勝を遂げたことに舌を巻く。今季の序盤から見ている田中の目には「大事なところでパットが入っていなかった」と予選は通るが上位に行けない戦いの印象が強く残っている。

5月の「バンク・オブ・ホープLPGAマッチプレー」で2位に入ったことで流れがよくなった印象はあったが、優勝に手が届いたのは「辛抱強くやった結果でしょうね。勝つのはスゴイことです」と技術力の高さ、勝ち切れる強さを称賛する。

リンクスコースで優勝を遂げたことで、当然今週の期待値も高くなりそうだが、「どんな選手でもやり遂げたあとってちょっと一服するじゃないですか」と過剰な期待は寄せない。「1個勝つのも大変ですけど、2週連続っていうのはとんでもないことです。『よし、今週も』って力が入る選手がほとんど。心の疲れもあります。古江さんはいつもと同じようにニコニコとプレーができるかがカギだと思います」。

■古江の初優勝は日本勢への励みになる