続く8番パー5。この日はティが前方に出ていたこともあって、2つで届く距離。「いいショットが2つ続いて、乗って楽々バーディの位置まで寄せられた」と20メートル近くあったイーグルパットをOKまで寄せバーディ。いい流れで後半に入った。

前日は11番から4連続を決め一気にリーダーボードを駆け上がったが、この日も11番パー4で手前から6メートルの上りのパットを打ちきってバーディ。「長いのが入ってくれた。強気で打ててよかった」と前日から続く強気な上りパットで勢いに乗った。その後もチャンスをつくりながらパーを並べ、14番パー5ではドライバー、3番ウッドでまたしても2オン。「重かったけど、微妙な距離のバーディパットも決まってくれた」と、2.5メートルショートしたイーグルトライからしっかりとバーディを奪った。

「今日は本当に1.5メートル以内とか、微妙なパットが入ってくれた」。特に後半は「重い」と何度もつぶやくほど、グリーンでタッチを合わせられずに苦戦したが、ショートパットを一度も外さずに、「それがいちばんうれしい」というボギーなしのラウンドには充実感をにじませた。

「意外といいところにいるなと思った」と最終ホールの電光掲示板でリーダーボードを見たときに上位争いを自覚した。そのころには辺りは暗く、寒さも増したが、渋野の表情は明るさに満ちた。「納得のいくゴルフがしたい」と向かう最終日。首位との差は「考えない」。今季4度目の優勝争いは、自分との戦い。その先に待っている優勝の2文字は頭から外し、自分のゴルフに徹する。（文・高桑均）

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