<ハンファ・ライフプラス インターナショナル・クラウン 最終日◇7日◇TPCハーディングパーク(米カリフォルニア州)◇6550ヤード・パー72>
圧倒的な強さだった。前回大会覇者の韓国、日本、オーストラリアとの予選プールを6戦全勝で突破すると、準決勝ではランキング1位の米国を相手に2勝1敗で勝利。オーストラリアとの決勝戦では3試合すべて勝ち、それも16番ホールまでに決着をつけるという圧巻ぶりだった。
「タイのゴルフ界にとって、まさにきっかけ」 アリヤ・ジュタヌガーンがMVP、圧勝で大会初制覇
女子の国別対抗戦はタイゴルフ界にとって、大きな一歩になった。
配信日時:2023年5月8日 06時42分
<ハンファ・ライフプラス インターナショナル・クラウン 最終日◇7日◇TPCハーディングパーク(米カリフォルニア州)◇6550ヤード・パー72>
圧倒的な強さだった。前回大会覇者の韓国、日本、オーストラリアとの予選プールを6戦全勝で突破すると、準決勝ではランキング1位の米国を相手に2勝1敗で勝利。オーストラリアとの決勝戦では3試合すべて勝ち、それも16番ホールまでに決着をつけるという圧巻ぶりだった。
2組目のパティ・タバタナキトがハナ・グリーンを相手に終始リードを奪い、4&3でタイが1ポイントを獲得。その数分後、アタヤ・ティティクルが中盤の1DOWNから巻き返し、4&2でステファニー・キリアコウを下して、その瞬間、タイが世界一に立つことが決まった。
その時、モリヤ&アリヤのジュタヌガーン姉妹はミンジー・リー&サラ・ケンプを相手にドーミーホールの15番をプレー中。グリーン手前のバンカーから出すだけで、ラフからのアプローチが残るピンチに陥ってしまった。「最後までやり遂げたい。だからあのショットは、どうしても成功させたかった」。アリヤのアプローチショットはそのままカップに吸い込まれ、これで4&3でフィニッシュ。白星を3つ並べた完璧な勝利だった。
今大会は2014年に始まり、これが第4回大会。タイのゴルフをけん引してきたジュタヌガーン姉妹にとっては、その当時から目指していた悲願だった。「この大会に出場するチャンスがあるだけでうれしい。楽しんで、もちろん決勝でプレーできるのであれば、本当に勝ちたいと思っていた」とアリヤは語るが、その言葉通りのクラウン戴冠。そしてMVPにも輝いた。
アリヤは16年にはシーズン5勝を挙げて、年間MVP、賞金女王に輝くなど大ブレイク。姉のモリヤも米ツアーで活躍し、タイのジュニアゴルファーにとっては、まさに憧れの存在となった。「わたしがプロになったとき、母国の子供たちに刺激を与えたいと思っていた。いまはわたしだけでなく、パティ、アタヤ、モリヤがいるので本当にいい気分」(アリヤ)。後輩や支え合いながらともにツアーを戦う姉を見つめながら語る。
タイの最強姉妹の影響は、確かに下の世代に引き継がれている。パティが「わたしもふたりを尊敬するひとり。彼女のプレーを見て、自分も追いかけようという気持ちになった」と言えば、アリヤと同じく世界ランキング1位にも立ったティティクルは「タイにいるすべてのゴルファーたちが彼女たちを尊敬している。タイのゴルフ界にとって、まさにきっかけになったと思う。いつかそのようになりたい」と語る。
そして手にした世界一の称号。国旗を堂々と掲げ、金メダルを獲得し、ティファニーの王冠を頭に被った。「この大会で優勝できたことは、タイのゴルフにとって大きなこと。10年前に私たちが感じた以上にタイは成長している。タイのゴルフの未来が本当に楽しみ」(パティ)。この4人の快挙にさらに多くのジュニアが刺激を受け、憧れを抱いているはずだ。(文・笠井あかり)
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