<ファウンダーズカップ 事前情報◇4日◇ブレイデントンCC(米フロリダ州)◇6465ヤード・パー71>
米最終予選会(Qシリーズ)をトップ通過して、今大会がツアー本格デビュー戦となる山下美夢有。「ちょっと不安もあるけれど、コンディションとか態勢はいいと思う。あとは自分らしいプレーをするだけ。結果につながってくれたら」。今季初戦を前に期待と不安を口にした。
不安の要因は「なかなか思うようなショット、スイングが作れていない」という点。月曜日はコースに訪れるもレンジ、パッティンググリーンでの調整に専念した。火曜日もラウンド前に2時間半ほど打ち込み、日本にいるコーチでもある父・勝臣さんとテレビ電話でやり取りしながら、一球ごとに感触を確かめる姿があった。
ラウンド中はGCクワッド(ゴルフ計測器)を持ち歩く。日本ではあまり見られない光景だ。「(日本とは)気温が全然違う。タテ距離が大事かなと思って。細かくデータを見ながらやっています」。グリーン周りのねちっこい芝にも警戒しながら、開幕2日前には渋野日向子、勝みなみと9ホールを回った。
注目ルーキーとして、岩井明愛・千怜のツインズとともに会見にも臨んだ。今季の米ツアーには過去最多となる13人の日本勢が参戦するが、それを「心強い」と感じている。「何年もこっち(米国)で戦っている選手もいるので、ゴルフ以外のアドバイスを聞いて、それが自分に合うか試すこともできる。先輩方はみんな優しくて、学ぶこともめちゃくちゃある。自分のプラスになるように、レベルアップしていきたい」。
予選会のときに検討していた“拠点”は、ロサンゼルス決定。ただ、「試合も続くので、帰ることはあまりできないかな」と考えている。「一年目で(転戦も)どういうスケジュールにしたらいいのか分からない。その場、その場で対応していくことが大事になる」。今回はフロリダでの1試合のみのため、日本から渡米し、試合後に帰国するスケジュールを組んでいる。
「通過点(予選会)を突破して、この舞台に立つことができてうれしい。ルーキーイヤーなので楽しみながら、予選通過を目指して上位で戦えるように頑張りたい。シードを獲りたいし、出られる試合は出て、優勝を目指したい」。日本ツアーでは2022年から2季連続で年間女王に輝いた。次は“世界の女王”を目指し、一歩目を踏み出す。(文・笠井あかり)