<TOTOジャパンクラシック 3日目◇4日◇太平洋クラブ 美野里コース(茨城県)◇6598ヤード・パー72>
最終9番パー5。渋野日向子のティショットはフェアウェイ右サイドのバンカーにつかまり、レイアップした2打目は左の林に突っ込んだ。グリーン方向は開けていたものの、目の前の木がピンをすっぽり隠し、右サイドに走る池も気になる状況だった。
レイアップすることも頭をよぎったが、「JBがチャレンジしようと言ってくれた。あの“すごい汚いフック”は打てるかなと思って(笑)」。隣にいるジョン・ベネット氏に聞きながら、池方向に打ち出した球は大きな弧を描いて、グリーン左手前のエッジにまで運んだ。そしてもう少しでチップインというアプローチを見せてお先パー。「結果的にはすごくあれはよかった。なんとかパーセーブできてよかったです」。
後半のもうひとつのパー5、2番では2打目が右の林に入り、こちらはレイアップを選択した。ラフからのアプローチは2.5メートルと寄せきれず、しびれるパットが残ったが決め切りパー。「かなりシビアなショットが繰り広げられちゃって(笑)」とシブコ節を交えて振り返るが、「気持ちで沈めた感じではありましたね」。きょうのボギーは出だしの3パットでのもののみにとどめることができた。
先々週の韓国、先週のマレーシアではともに第3ラウンドに大叩き。「77」、「79」で急降下したことが頭の片隅にあったなか、この日は「68」。「3日目に落としてしまう謎の現象がずっと起きていたので…」というその鬼門はクリア。あとは上昇していくだけだ。
このアジアシリーズよりは「ショットの質はマシになっているかなとは感じている」と曲がり幅が小さくなったことを実感しつつ、求めたい“高いドロー”の精度についてはもうひと段階。それでも「めちゃくちゃやばいミスっていうのは最低限で済んだかなと思った」と、大叩きしそうなホールをパーで切り抜けて、ムービングデーに伸ばすことができた。
初日の46位からわずかながらでも右肩上がりに順位を上げ、トータル10アンダーの29位タイで最終日に入る。「もうちょっと頑張らないと全然ダメなので、1個ボギーを取ろうが、まだ頑張れる。諦めずに明日も攻めていきたい」と意気込み、ラスト18ホールへと向かう。(文・笠井あかり)