<ウォルマートNWアーカンソー選手権 最終日◇1日◇ピナクルCC(アーカンソー州)◇6438ヤード・パー71>
「やったあ! めちゃくちゃうれしいです!」
最終日最終組で2打差を追った西村優菜。「68」で回りトータル15アンダーは3位タイと米ツアー初優勝は逃がしたが、自己最高位でフィニッシュ。来季シード権獲得に“当確ランプ”をともした。
年間ポイントレース『CMEグローブ・ポイントランキング』を267.81ポイント(pt)の81位で迎えた今大会。3位タイに入り168ptを獲得し、合計436.551ptまで積み上げた。これでランキングは61位まで浮上。80位までに与えられるシード権だが、試合数は違うとはいえ、昨年はエミリー・ペダーセン(デンマーク)の379.840ptがボーダーライン。今季19試合目で、それを大きく超えることに成功した。
昨年12月のQスクール(米最終予選会)を24位で通過し、ルーキーイヤーを迎えた。ウェイティングエントリー(現地待機)も多くあったなか、出場とポイントを積み重ね、出場優先順位を見直す第1回リシャッフルは74位で突破。第2回リシャッフルでも76位につけ、シード選手と同等に試合出場ができるランキング80位以内を死守した。
ランキングを上げるため、7月からはフランス、スコットランド、イングランド、北アイルランド、カナダ、米国2戦の過酷な“7連戦”も敢行。さらに日本ツアーにスポット参戦するなど強行軍を突き進みながら、持ち味でもあるショット力を取り戻していった。
最終18番パー5では2オンに成功したユ・ヘラン(韓国)に対して、3打目勝負を選択した。「バーディフィニッシュしたいと思っていたけど、ティショットを曲げちゃって『なんだよ!』って(笑)。(3打目は)いいショットが打てたと思う」。右ラフからフェアウェイに刻むと、残り82ヤードのグリーン面が見えない打ち上げという状況から52度ウェッジで60センチに。最終組を待ちわびていたギャラリーの大声援を引き出し、これでトップ3に食い込んだ。
「シード権争いの中で優勝争いできたというのはうれしかったし、いい経験なので生かせるように。このちょっとの自信も大事にしながら頑張りたい」と、得た自信とともに目指すのはつぎのボーダーライン。ランキング上位60人のみが出場できる最終戦「CMEグループ・ツアー選手権」の出場権獲得。昨年のボーダーラインは572.226ptだったため、およそ140ptは最低でも必要になってきそうだ。
「どんどん上を目指して、また優勝争いできるように頑張りたいです」と意気込んだ西村。最後は“優菜スマイル”を弾けさせて、次戦のテキサスへと向かった。(文・笠井あかり)