<HSBC女子世界選手権 最終日◇5日◇セントーサGCタンジョンC(シンガポール)◇6774ヤード・パー72>
アジアのメジャーともいえるシンガポール戦。最終日に4バーディ・1ボギー・1ダブルボギーの「71」で回り、トータル4アンダーの33位タイで終えた渋野日向子。今季2戦目を「ショットが悪すぎたのでスコアになるわけないよなと思いながら回っていた」と振り返った。
インからスタートした最終日は、16番パー5でバーディが先行。3番でボギーを喫するも、バウンスバックを決めると5番でも連続バーディを奪取。「ボギーのあとに獲り返せたし、きのうのリベンジができたバーディが獲れたのでよかった」とスコアを伸ばしていく。
落とし穴が待っていたのは終盤。2日目にイーグル、そして3日目にトラブルでボギーとした8番パー5。ティショットが右OBとなりダブルボギー。それでも最終9番をバーディで締めて、アンダーパーにまとめた。
この大会では何度も『パーオン率』という言葉を口にした。オフに青木翔コーチとスイング改造に取り組み、まだ試行錯誤の段階ではあるが、フェアウェイが狭いところもありながらこの4日間のフェアウェイキープ率は40/56(71.4%)とそれなりの数字。ところがパーオン率は49/72(68%)にとどまった。
「乗らないとスコアは出ない」を改めて感じたのは第2ラウンドのこと。2日目を8バーディ・1ボギーの「65」で回り、トータル15アンダーで連覇を飾ったコ・ジンヨン(韓国)のプレーを間近でみて痛感した。その日のジンヨンのパーオン率は17/18(94%)、4日間を通してみれば64/72(89%)という「圧倒的数値」を叩き出している。ちなみに、フェアウェイキープ率は40/56で渋野と変わらない。
今季2戦目、そして新スイングによる“勉強の2週間”を終えた。「アプローチやパッティングにすごい助けられた」とプラスなこともあったが、課題もより明確になった。ショットがやや散らばるなか、「ミスの傾向が全部右、やらなきゃいけないことはわかりやすい」と次のアリゾナ戦までのオープンウィークはそのクセを減らしていくような練習を進めていく。
「暇がないこともないけど、ゆっくりしている場合じゃないかな」。米ツアー2年目のシーズンはまだ始まったばかり。2週間のオフを実りあるものとし、米本土戦、そして4月にシーズン初戦を迎えるメジャー大会へと向かっていく。(文・笠井あかり)