＜ANAインスピレーション 3日目◇1日◇ミッション・ヒルズCC ダイナ・ショア・トーナメントC（6,763ヤード・パー72）＞

米女子ツアー、欧州女子ツアー、米女子下部ツアーで250試合目を迎えている、ツアー未勝利のパーニラ・リンドベルグ（スウェーデン）。「ANAインスピレーション」3日目を終えて、トータル14アンダーで単独トップ。2位に3打差をつけて、初優勝に王手をかけた。

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スウェーデン出身の31歳。2009年に米国オクラホマ州立大学を卒業後、すぐさまプロ転向。米下部ツアーを戦い、翌年から米欧両ツアーに参戦。シード権こそ獲得するが、ツアー優勝はいまだない。08年の世界女子アマチュア選手権では、アンナ・ノルドクビスト（スウェーデン）らとともに優勝。16年のリオ五輪ではスウェーデン代表で出場し31位タイに入っている。実力はあるのだが、なかなか勝利を引き寄せることができないでいる。

「冷静でいられた。楽しかった。こんなチャンスはめったにないから、楽しまないと損だと思っていたの」と、緊張を感じることなく、3日間、首位を守り抜いている。「明日も同じ。これまで何年もゴルフをしてきて経験もある。それがようやくつながってきているのだと思う」と、メジャー最終日を迎えることに対しても期待しかないという。

そんなリンドベルグに話しを聞こうと待っていたのだが、なんとキャディバッグに入っているのはレディス用のドライバー『PING G LEドライバー』。キャディがいうには「フェース面の厚さの問題で、彼女のヘッドスピードではこっちのほうが飛距離が出るんだ」とのこと。女子といえども、市販されているレディスクラブのドライバーヘッドを使っているのはきわめてまれ。「これまでグローブをしたこともないの（笑）」と、自分のスタイルを守る個性派であることは分かった。

「きっと誰かがロースコアを出してくると思う。私は私のやることに集中するだけ」と、マイペースなのは得意とするところ。悲願のメジャータイトルで未勝利期間に終止符を打つことができるのか。メジャーを制したのがレディスドライバーなんてことになったら、これまた違った意味で快挙となりそうだ。ちなみにスペックなどは、明日優勝したら聞くことにしようと思うので、ご容赦願いたい。（文・高桑均）