<ホンダLPGAタイランド 事前情報◇18日◇サイアムCC オールドC(タイ)◇6632ヤード・パー72>
昨年に続き2度目の大会出場となる西村優菜は、ジュニア時代から指導を受け、今回帯同する中島敏雅コーチと何度もコミュニケーションをはかりながら練習ラウンドを進めている。昨年秋のアジアシリーズ以来となる師弟での戦い。「心強さももちろんありますし、試合をしながらフィードバックできるありがたさもある」という気持ちとともに、歩みを進めていくことになる。
その会話の内容は多岐にわたるが、メーンになっているのがショットについての話。「このオフは(コーチとともに)ずっとショットをやってきたので、『もっとできるように』とそれを続けています」。オフ期間などのタイ合宿をはじめ、アウト9ホールを回った月曜日、そしてインをプレーした火曜日も含め、「自分のやりたい方向にいってるし、いいショットが打てるようになってきてます」と、自信も上向いている。
昨年はポイントランキング69位に入り、80位までが得られるシード権は確保した。ただ、ショット面でなかなか納得がいかず、それがオフの取り組みにもつながった。「この前のフロリダ(2週前のファウンダーズカップ)は予選落ちしたけど、すごくいいフィーリングだった。去年よりはポジティブになっているし、あとはどれだけ自信を持ってできるか」。その2週前の2日間のフェアウェイキープ率は85.7%(24/28)で、パーオン率も66.7%(24/36)。数字もそんな心情を裏づけている。
自信を取り戻し、ここからの“2歩目”について西村は、「あとは試合でどれだけできるか問題」と笑顔も織り交ぜながら表現する。練習で出るボールの試合での再現度。ここが「課題」と認識している。「『なんでだろう』というミスが、『こういうミスが出るということはこうなってるんだろうな』と明確化できています。それは去年よりよくなっているところ」。こうして、ひとつひとつの課題に向き合っていく。
当面のターゲットは、世界ランキングを現在の118位から75位以内まで上げ、5月29日開幕の「全米女子オープン」(米ウィスコンシン州、エリン・ヒルズGC)出場権を確定させること。「(各大会で)トップ10に入っていけばチャンスが出てくる。前半戦の目標です」。そこに向けても、出場人数が72人と絞られるが、しっかりと4日間を戦えるアジアシリーズの出場権は大きな意味を持つ。
警戒心を強めるのは起伏に富み、強い傾斜が手を焼かせるグリーンだ。「目もしっかりありますし、パッティングでもアプローチでも下りが多くなる。その辺りが難しいと思いながらラウンドしていました」。その攻略のためにも、やはりショットの精度は大きなカギを握る。(文・間宮輝憲)