米国女子ツアーは、1月30日~2月2日の日程で行われる「ヒルトン・グランドバケーションズ トーナメント・オブ・チャンピオンズ」(米フロリダ州・レイクノナG&CC)で2025年シーズンの開幕を迎える。
日本勢は畑岡奈紗、古江彩佳、渋野日向子らこれまでも米国を主戦場にしてきた選手に加え、昨季日本ツアー女王の竹田麗央や、山下美夢有、岩井明愛・千怜姉妹、そして昨年は米下部ツアーを主戦場にした馬場咲希の最終予選通過組が新たに参戦。さらに注目を集めること必至だ。そこで長いシーズンのおおまかな流れを、ここで予習しておこう。
過去2年間の優勝者しか出場できない前述のヒルトンには、日本勢では昨年の「アムンディ・エビアン選手権」を制した古江と、「全米女子オープン」覇者・笹生優花のメジャー女王2人はもちろん参戦。それに加え、直近2年間の「TOTOジャパンクラシック」優勝者の竹田と稲見萌寧も出場権を持ち、すでにエントリーを済ませている。
開幕戦は“選ばれし者たちの戦い”になるため、今季から参戦する選手も含め、多くの日本勢にとっての初戦になりそうなのが、ヒルトン翌週の2月6日から同じフロリダ州で開催される「ファウンダーズカップ」だ。ここにはすでに、渋野や昨年の新人賞を獲得した西郷真央、畑岡のほか、岩井姉妹らが出場を決めている。
さて、この2試合が終わると、一度、ツアーは米本土を離れ、春のアジアシリーズに突入。2月20日初日のタイから、シンガポール、中国と転戦を続けていく。再び米国に戻るのは3月20日開幕の「ファーヒルズ朴セリ選手権」(米カリフォルニア州)から。そして同大会を含め4試合を消化すると、いよいよ今季のメジャー第1戦「シェブロン選手権」(米テキサス州)を迎えることになる。大会は4月24日~27日に開催。恒例となっている優勝者による“池ダイブ”を行うのは、いったい誰になるのか?
この後は「ブラックデザート選手権」(5月1日~、米ユタ州)、「マヤコバオープン」(5月22日、メキシコ)など新規大会2試合を含む3試合を行い、5月29日から「全米女子オープン」(米ウィスコンシン州)、さらにその3週後には「KPMG全米女子プロ」(米テキサス州)が開始と、立て続けに“全米タイトル”が争われることになる。
7月に入ると、ツアーは欧州へ移動。10日から古江がディフェンディングチャンピオンとして出場するエビアン選手権が、フランスのエビアンリゾートGCで開かれる。さらに24日開幕の「ISPS HANDA スコティッシュ女子オープン」(スコットランド)を挟み、7月31日には「AIG女子オープン」(全英女子)が、今年はウェールズのロイヤル・ポースコールGCで行われる。
この後は8月、9月と米国、カナダで試合が行われ、昨年は11月に行われたハワイでの「ロッテ選手権」が10月の第1週に開催。これが終わると、再びアジアに戦いの舞台が移り、中国、韓国、マレーシア、日本を転戦する秋のアジアシリーズに入る。さらにこの間の10月23~26日には、2年に1度行われる国別対抗戦「ハンファ・ライフプラス・インターナショナルクラウン」を韓国で実施。日本代表チームの活躍にも、期待がかかる。
アジアシリーズあたりからは、ツアーも終盤戦。これが終わり11月13日からの「アニカ・ドリブン by ゲインブリッジ at ペリカン」では、来季シード選手、そして最終戦進出者がポイントランクにより確定する。翌週の「CMEグループ・ツアー選手権」が、シーズン締めくくりの試合に。ポイントランク上位60人が出場するこの大会の優勝者が、今年の年間女王に決定。このフロリダ2連戦でシーズンが閉幕すると、来季のツアー出場権を争うQシリーズ(予選会)の季節になる。
今季の米国女子ツアーは、1月末から11月末まで全35試合(うち公式競技は33試合)が行われる。昨年は日本勢がメジャーで2勝、さらに古江が日本勢として初の快挙となる平均ストローク1位のベアトロフィーを獲得。西郷が新人賞になるなど、タイトル争いでも大きな盛り上がりを見せた。一大勢力となったなでしこたちの、さらなる偉業達成も楽しみに、長いシーズンを見守りたいところだ。