＜HSBC女子世界選手権　初日◇2日◇セントーサGCタンジョンC（シンガポール）◇6774ヤード・パー72＞

今季3戦目の古江彩佳がインからスタートし、2アンダーで迎えた後半5番パー5で魅せた。「一歩間違えればボギーとかダボになってしまうような池がらみのホール。怖かったけど初日でもあるので、攻めるしかないかなというのでいきました」と、2オン1パットのイーグルを奪った。

ティイングエリアからグリーンまで、左サイドにずっと池が待ち構えている状況。グリーン手前には池がやや食い込んでいて、2打目で狙うには池を超えていかなければならない。残り214ヤードで手にした3番ウッドでは「ギリギリ超えるか」という少し不安な距離。さらには左足上がりでつま先上がりという難しいライ。それでも果敢に狙い、「若干ダフったけど（笑）。うまくドローしてくれて乗りました」と3メートルにピタリとつけた。

昨シーズンのイーグル数は『6』個。それについては「思ったよりは少ないですね。でも距離が長いところも多いので、自分の飛距離にしたらそんなもんなのかなと思ったり…」となんとも言えない表情。だが今季は、開幕戦に続き、これですでに2つ目を数えた。

長いクラブでもピンをデッドに狙える古江の持ち味が光った瞬間だったが、この日のスタートはショットが乱れていた。出だしの10番こそ2メートルにつけてバーディ発進を決めたが、「ちょくちょくショットがばらついたりした」と、20ヤード以上のファーストパットやしびれる距離のパーパットが残ることも多かった。

それでも、前戦とは異なるグリーンで「その感覚が抜けていない部分があったりした」というなかでピタリとタッチを合わせてセーブ。乱れるショットをショートゲームでカバーして流れを逃さない。「そこから気づいてうまく修正できた」とラウンド中に精度を取り戻すことができた。

「ピンチもあったりしたんですが、上手く耐えられてノーボギーで、そしてアンダーで回れたのもうれしい」。1イーグル・2バーディの「68」でプレーし、首位とは4打差の3位タイで滑りだした。「あした以降も落ち着いて、しっかり自分のプレーができるように頑張りたいです」という自然体で、上位争いに加わっていく。（文・笠井あかり）