<AIG女子オープン 2日目◇11日◇ウォルトン・ヒースGC(イングランド)◇6881ヤード・パー72>
終盤の14番パー4。ここで手前7メートルからのバーディパットがカップに吸い込まれると、渋野日向子は少しホッとしたような表情を浮かべた。ようやく来た、この日初バーディ。一矢は報いた。ただ、これが状況を劇的に変えるものにはならなかった。
「もう少しできると過大評価していた」 渋野日向子を苦しめたグリーン上での“違和感”
19年大会覇者の渋野日向子は連日の「75」でスコアを伸ばせず、予選落ちに終わった。
配信日時:2023年8月11日 21時36分
<AIG女子オープン 2日目◇11日◇ウォルトン・ヒースGC(イングランド)◇6881ヤード・パー72>
終盤の14番パー4。ここで手前7メートルからのバーディパットがカップに吸い込まれると、渋野日向子は少しホッとしたような表情を浮かべた。ようやく来た、この日初バーディ。一矢は報いた。ただ、これが状況を劇的に変えるものにはならなかった。
人生を変えた2019年大会から、これが5度目の全英出場。ただ「すごく悔しいというか、情けない2日間だった」と、うつろな瞳で『特別な大会』を振り返ることになってしまった。予選通過のためアンダーパーが必須だったラウンドだったが、終わってみれば2日続けての「75」。トータル6オーバー・105位タイで予選落ち、という結果に終わった。
出だしの1番で、いきなり3パットのボギーを叩く立ち上がり。前日も3パットを繰り返してスコアを落としていただけに、嫌なムードも流れる。とにかくこの2日間は「距離感も合ってなかったですし、微妙な距離もなかなか入らなかった。そこが残念」と、グリーン上でうなだれるシーンを多く見ることになってしまった。前日の37回に続き、2日目も32回とパット数は30回以上を数えた。「すんなり打ち切れなかった。今回はすごくパターで足を引っ張った」。持ち味の強気のパットは鳴りを潜め、ことごとくカップに嫌われる。
「もう少しできると過大評価していたので残念」。パッティングでリズムを作るパター巧者にとって、グリーン上はスコアメイクの肝になる。ただ先週のスコットランドでの試合から、“打ち切れない”という言葉を何度も口にしていた。2日間のフェアウェイキープ率は83.3%、パーオン率も72.2%とショットの数値が高水準だったことも、よりパターでのロスを浮きだたせた。「グリーンが合わなかったのはただの言い訳。自分の問題」。こう言って自らを責める。
春先から苦しめられてきた左手の痛みも軽減され、今はその時間を取り戻すようにショット練習を重点的に行っている。痛みがひどかった時は、練習ラウンドもウェッジとパターだけを携え、グリーン周りのチェックのみをする姿もよく見られた。ショットが乱れてもグリーン周りでなんとかする。この気持ちで予選通過を続けてきた。「今はショットにフォーカスしているぶん、パット練習が足りないのかな。練習でできていても、試合でできないことも多いし、その差を減らしていかないと」。そういった意味でも、今もケガの影響が顔を出しているといえる。
初海外試合で初のメジャー制覇を成し遂げた衝撃から4年が経ったが、英国ではそれ以降もさまざまな思いを味わってきた。前年覇者として出場したリンクスのロイヤルトゥルーンGC(スコットランド)での20年大会は「どうにもできなかった」と予選落ち。続く21年のカーヌスティGL(スコットランド)では上位を争ったが最終日に「75」を叩いて34位に終わり「なんかよく分からなかった」。名門ミュアフィールド(スコットランド)で行われた昨年は優勝争いに加わり3位にもなった。しかし今年は「自分でボロボロ落としていった」という記憶が上書きされてしまった。
楽しさも悔しさも味わった試合で、今年はグリーンに泣かされた。次戦はカナダで行われる2週後の「CPKC女子オープン」に出場する。空き週は「まずはゆっくり気持ちも休んで。トレーニングや少し打ったりもしていきたい。いい状態でカナダに行けるよう、体調管理にも気をつけないと」とコンディションを整えていく。いろいろあった欧州での3週間を終え、ここから舞台はカナダ、そして再び米本土、さらにアジアへと移る。来年は英国でいい思い出を作るため、さらなる研鑽を積んでいく。(文・間宮輝憲)
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