<ホンダLPGAタイランド 事前情報◇19日◇サイアムCCパタヤオールドC(タイ)◇6632ヤード・パー72>
2週前の「ファウンダーズカップ」を67位で終えた渋野日向子は、米国で1週間の調整期間を挟み、今季2戦目の舞台となるタイにやってきた。「4日間プレーできるのはすごくありがたい。いろいろ試しつつも、攻めのプレーができたら」。春のアジアシリーズ初戦へ、意気込みがにじむ。
その“いろいろ試しながら”という部分は、例えばキャディバッグの中身にもあらわれている。今週から50、54、58度のウェッジがクリーブランドの新作『RTZ』に替わり、さらにパターもオデッセイのピン型『AI-ONE DOUBLE WIDE』に。パターについては、昨年まで契約を結んでいたピン製品以外のものは「約10年…、う~ん、7~8年ぶりくらい?だと思ってます」と、本人の記憶も定かではないほど、ひさびさの使用になる。
先週の調整内容についても、「トレーニングもちょろっとやったけど、メーンはクラブです」と明かす。今季からクラブ契約フリーになり、今、取り組んでいるスイングや状態に合ったものを探す日々。「ある程度はかたまってきたとは思っているけど、シャフトだったり、オフよりも振れているから調整する部分もあると思う」と、さまざまな組み合わせを試している。
34位だった2021年から、今年で5年連続の出場。そんな慣れ親しんだ感もあるコースでは、こんな変化も感じ取れる。「去年よりドライバーのキャリーも出ているし、飛んでいるかな。アゲンストでも去年と(飛距離は)変わらない。アイアンも飛んでいる。短い番手を持てるのはうれしいし、楽ですよね。その分、頑張らないと」。暑さで体も動きやすくなっているのも相まって、試行錯誤の効果も実感できている。
一昨年、そして昨年と、このタイをシーズン開幕戦の舞台に選んできた。「去年はかなり不安がある状態で臨んで、一日もいいゴルフができなかった印象」と話すが、大きな変化もあった今年は、すでに1試合を消化し乗り込んできた。「クラブも試せて、ちょろっと替えた部分もあるし、特に怖いものもないかな。不安よりも自分のなかで楽しみの気持ちが大きい」。こう話す時の表情も明るい。
フロリダでの今季初戦は、2日目に「67」と好スコアを出し決勝まで進んだが、「4日間通していいプレーができなかった。課題もいろいろある」と、モヤモヤも残る試合になった。気分一新、3年前には8位にもなっている今週の大会で、快音を響かせ続けたい。
「(クラブ選びは)楽しいですね。いろいろ試せるのは楽しいですし、ヘッドやシャフトによって、違うボールも出るし打感も違う。それをいろいろ試せるのは、楽しいと思っています」。予選カットラインを気にせずに戦え、例年、優勝スコアが20アンダーを超える伸ばしあいの大会で、自信を胸に攻める姿を見せたい。(文・間宮輝憲)