9日、ジャンボこと尾崎将司が主催する「ジャンボ尾崎ゴルフアカデミーセレクションsupported by ISPS HANDA」が行われ、尾崎健夫、尾崎直道、飯合肇、金子柱憲の4名がセレクションに参加。門下生の原英莉花や西郷真央の活躍について語った。
セレクションは、アカデミーへのいわば“入門テスト”で毎年、ジャンボ自らが視察を行いジュニアを選抜する。しかし、この日は高熱による体調不良のため欠席。“代打”としてジャンボ軍団から4人が参加することとなった。
門下生からスター選手を何人も輩出。代表されるのはやはり、その実績は語るまでもないが国内メジャー3勝を含む通算5勝を挙げる原、「全米女子オープン」で2勝を挙げる笹生優花、昨年の米国女子ツアーで『ルーキー・オブ・ザ・イヤー』に輝いた西郷、さらには佐久間朱莉らだろう。
米ツアーでルーキーイヤーながら堂々たるプレーみせた西郷について、健夫は「1年であんなに体を作れるなんて。うちらの時は走り込みをしてもダメだった」と感心するばかり。これには飯合も「やりがいも出ていると思う。だからいくら体をいじめても辛さに勝つよ」と、仕上がりの高さにうなずく。
そして、今年から米国下部のエプソン・ツアーを主戦場にする原については、「コースの環境もあるし、心配だよなぁ」と4人が口を揃えた。
原は、2023年5月には持病の椎間板ヘルニアの摘出手術を受けた。その後リハビリを経て復帰し、同年9月の「日本女子オープン」で復活優勝を挙げた。しかし、再発を懸念して十分な練習が積めず、昨年は未勝利に終わり、「資生堂レディス」の3位が最高位。もどかしさが残るシーズンだったことは間違いない。
そして、飯合はジャンボの誕生日の時、原からこの決断に至ったワケを聞いていた。「自分のゴルフが頼りなくなってきた。飛ばして有利に立っていたゴルフから、フェアウェイに打ちに行くゴルフになっていた。(環境を)思い切って変えてみたいから下部からでもやってみたい」。こんな思いを胸に原は、下部ツアーへの挑戦を選んだ。
健夫も原の選択を後押し。「27歳なんだから。30歳になったら世界一にならなきゃ。行った甲斐がない」とエールを送ったと話した。愛弟子の活躍を願う4人の表情は、温かかった。(文・齊藤啓介)