<HSBC女子世界選手権 事前情報◇27日◇セントーサGC(シンガポール)◇6775ヤード・パー72>
最終日に「68」をマークしたタイ決戦からシンガポールに移動しても、西村優菜のテーマは変わらない。「朝の練習から回っている間も、右足を意識しながらやっていました」。この右足というのはダウンスイングで“右足を残す”ことだ。
「右足の蹴りが早くて右の股関節が早めに前に出てきてしまうので、腕が通るスペースがない。体重は移動するけれど、右の股関節が後ろにある状態で手が通ってほしい。ベタ足で練習して手が抜ける感じをつかんで、それと同じような感覚で…」。このようにかみ砕いて説明してくれた。最初は腕を意識していたがうまくいかなかったため、右足に視点を変えたという。
もともと「クセ」のようなものでもあるというが、昨年7月からバッグを預けるキャディの助言を参考にしながら、この原因にいきついた。「気持ちの面でも、一歩引いたところからどう見えるかをはっきり言ってくれる。わたし的にはすごくありがたい」。今回についても「やっぱりそうだよね、って。そういう確認を選手とキャディのなかでできているのはいいこと」と、胸を張れる部分でもある。
このシンガポール大会はポイントランキング上位者のみが出場できる一戦。別名“アジアのメジャー”とも言われる戦いに、西村は初めて出場する。「上って下りのパットが残ってしまうような(グリーンの)アンジュレーションが気になった。雨が降らなければ硬くなって難しいセッティングになると思う」。火曜日にインコースを確認。あす水曜日のプロアマで18ホールを回る予定だ。
先週の今季自身初戦は54位に終わった。今週も予選落ちがないエリートフィールドの4日間大会とはいえ、やはり上位争いがしたい。「緊張感のあるところ(順位)でだったら、また状況も変わってくる。そのなかでやりたいという思いもあるし、コースの印象も悪くないので、自信をもってできるようにあと1日調整したい」。
昨夜には大好きな牛タンを食べに出かけるなど、リフレッシュも欠かさない。試行錯誤をするなかでも、自身の状況や大会を楽しみながら、生命線ともいえるショットの調子を取り戻す1週間にしたい。(文・笠井あかり)