海外メジャー第2戦「全米女子オープン」は笹生優花が優勝した。2位に渋野日向子が続き、古江彩佳、小祝さくら、竹田麗央がトップ10入りを飾った。日本勢が活躍したランカスターでの戦い。大会を中継したBS松竹東急で4日間解説を務めた石井忍に、総括を聞いた。
■過去最高の結果に見る、米ツアー進出のムーブメント
日本勢21人が参戦し、予選通過はメジャー過去最多の14人。そしてトップ10入りが5人というのも、史上最多だった。笹生は日本勢初のメジャー2勝目という快挙で、渋野との日本勢メジャー“ワンツー”も史上初のこと。この結果に、「すごいことだと思います」と、まずは選手らのプレーを称える。
ともに解説を務めた服部道子が、放送中に話した言葉を引用する。「『レベルの高いツアーにいい経験をしに行こうか、という時代も終わった』のだと。ここまで自身が積み上げてきたものを試して結果を出しに行く、という思考に変わっているのだと思います。宮里藍さん、畑岡奈紗選手がその道を作ってくれた。ほかの選手たちにいい影響を与えて、私もできる、というムーブメントが形になってきました」。
かつて宮里藍らが米女子ツアーで一時代を築いた。そして2017年には前年のQTを経て畑岡がデビュー。そこから古江彩佳、渋野、西村優菜、勝みなみといった若手たちが米国に主戦場を移した。昨年には稲見萌寧が「TOTOジャパンクラシック」を制し、西郷真央と吉田優利がQスクールを突破。現在、日本勢9人が米ツアーのフィールドにいる。
「これだけ出ているということは、そもそも米ツアーに日本勢が通用しているということがベースにある。将来、20人以上がツアーに参戦するというようなムーブメントも始まっていると思う。これは続いていくし、ここから加速していくはず。ギャラリーも少なかったり、移動がタフだという一面もあるけれど、通用することは、間違いがないですよね」
■ガマンをしてチャンスを待つ… ランカスターは日本勢向きだった?
4日間を終えてのアンダースコアは、トータル4アンダーの笹生とトータル1アンダーの渋野の2人のみだった。前回、同コースで行われた15年大会の優勝スコアはトータル8アンダーで、アンダースコアは13人。日本勢12人が出場し、最上位は大山志保のトータル3アンダー・5位タイだった。
難セッティングに仕上がったとはいえ、「見ていてハチャメチャなセッティングではなかったと思う」と振り返る。初日にネリー・コルダ(米国)が『10』を叩いた12番パー3は、4日間の平均スコア『3.48』で難易度1位。オーガスタのアーメンコーナーに似たような難しさも感じられたが、最終日には16番パー4をワンオンチャレンジホールにするなどエッジを利かせていた。「アレンジも面白かったですね」という。
ランカスターは「かなりトリッキーで、ガマンをしてチャンスを待つというコース」だった。そういう意味では、「日本勢向きだったのかもしれない」と分析する。「ディフェンス力の高さが求められました。今年のランキング上位選手も軒並み落ちてしまって、そういうのも決勝ラウンドのフィールドとしては楽になっていたのかもしれないです」。