<ヒルトン・グランド・バケーションズ・トーナメント・オブ・チャンピオンズ 初日◇18日◇レイクノナG&CC(フロリダ州)◇6608ヤード・パー72>
米国で拠点とするホームコースながら、序盤は速く仕上がったグリーンに苦しめられた畑岡奈紗。「なかなかバーディがこなくて、気分的には沈んでいた」。その足取りは軽くならず、さらに8番と10番のボギーで一時は2オーバーまで低迷したが、見事カムバックに成功した。
畑岡奈紗が“高速グリーン”で“飛ぶ新パター”を投入した意図は?「ミスヒットの確率が…」
2024年シーズン開幕戦はホステス大会でホームコース。畑岡奈紗が上々の滑り出しだ。
配信日時:2024年1月19日 03時00分
<ヒルトン・グランド・バケーションズ・トーナメント・オブ・チャンピオンズ 初日◇18日◇レイクノナG&CC(フロリダ州)◇6608ヤード・パー72>
米国で拠点とするホームコースながら、序盤は速く仕上がったグリーンに苦しめられた畑岡奈紗。「なかなかバーディがこなくて、気分的には沈んでいた」。その足取りは軽くならず、さらに8番と10番のボギーで一時は2オーバーまで低迷したが、見事カムバックに成功した。
カギになったのが、手前3メートルをねじ込んで初バーディを奪った11番パー5。それまでは“この距離が決まれば…”というパットを惜しくも外してきたが、そんな歯がゆい展開を払拭する大きな一打だった。そこから12番で左からの5メートルを決めると、14番で3メートル、15番で2メートルを立て続けに沈め、一気に2アンダーまで回復。13位タイで初日を終えることができた。
開幕戦とあって、すべてが思うようにはいかない。ショットが狙い通りに出ない場面も多かったが、「うまくカバーできた」と耐え抜いた。「これだけ速いなかでオフは練習してなかった」というグリーンも、しっかりと打つことを強く意識。ラウンド中に修正を続け、なんとかアンダーに潜り込んだ。
この高速グリーン攻略には「公式戦では初めて使用した」というクラブの存在も大きかった。それが例えばレクシー・トンプソン(米国)がオールカーボン製のものを使用したことなどで知られる『CHAMBER(チャンバー)』が手掛けるパターだ。
実は開幕前、エースの『ベティナルディ SS3 DASS プロトタイプ』と、このニューパターのどちらを使用するか迷っていると口にしていた。そして「一番大きな違いはボールの転がりが速くなる」というポイントを理由に、新たな相棒を投入することを決断。速いグリーンに対抗するために、“転がりが速くなる”パターを選択した意図を、畑岡が明かす。
「(新パターは)イメージよりも出球が速い。振り幅が大きくなるとミスヒットの確率も高くなるけど、飛んでくれれば振り幅は小さくなる。それに慣れるまでにはもう少し時間がかかるし大変だけど、いい方向にいっていると思います」
もともと昨秋のアジアシリーズ中に、畑岡専属キャディのグレッグ・ジョンストン氏が知り合いの選手から聞いたのがこのパター。カリー・ウェブ(オーストラリア)らがアンバサダーを務めていることもあり、頭にはあった。そこから11月のシーズン最終戦「CMEグループ・ツアー選手権」前にテストをして、候補のひとつとして浮上。そのソールには、畑岡の愛犬・ステラとアポロもプリントされている。
大事な開幕戦でこの一本が機能した。「あしたは60台で回れるように頑張ります」と、ここから一気に浮上を目指す。初日は途中雨がパラつき、さらに夕方には強い雨が降ったためコンディションに変化はあるかもしれないが、速いグリーンにもアジャスト成功。大会の冠スポンサーを務めるヒルトン・グランド・バケーションズのアンバサダーを務めるホステスプロとしても、最終日最終組に入った昨年に続いて優勝争いに名乗りを挙げたい。(文・間宮輝憲)
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