<HSBC女子世界選手権 最終日◇3日◇セントーサGC(シンガポール)◇6775ヤード・パー72>
「最終日に一番いいラウンドをしたい」。こんな思いとともに、16位タイからトップ10入りを目指した西村優菜が“有言実行”だ。6つのバーディを奪ってボギーフリーの「66」をマーク。トータル9アンダーまで伸ばす猛攻で、3位タイでシンガポールでの4日間を終えた。
手前から右にかけて構える池が気になる4番パー3でおよそ3.5メートルにつけてこの日初バーディを記録すると、ここから波に乗る。5番、6番と奪って3連続バーディ。さらに8番で伸ばして折り返すと、後半も13番から連続で加点。今季ベストスコアで締めくくった。
「前半からいい流れでゴルフができた。インコースは難しいと思ってたので、耐えるところは耐えて。ショットがまとまってくれた。全体を通して、すごくいいラウンドでした」。朝から笑顔が輝き続けた一日だった。
スタート時に7打と大きく差があったことから、首位の背中を捉えることはかなわなかったが、「とにかく自分がひとつでも多くバーディを獲れるように」と追いかけ、一時は1打差まで迫った。「きょうの自分は褒められるんじゃないかな(笑)」。ただ上だけを見て駆け抜けた18ホール。だからこそアグレッシブに攻め続けることができ、「全てが重なっていいラウンドだった」と満足感もひとしおだ。
雨が降って地面が柔らかくなり、距離が出ない西村にとっては長いクラブを持たされることも多かった。それでも「グリーンが止まるので、長いクラブを持たされるわたしでもしっかりピンを狙えていた」と持ち味を発揮。試行錯誤を重ねているショットだが、この日は光を感じさせる一打を繰り返した。
ルーキーイヤーだった昨年はリランキング突破、シード権獲得のボーダーラインのせめぎ合いが秋口まで続いた。だからこそ、今季2試合目にしての上位フィニッシュがなおさらうれしい。「このアジアは頑張りたいという気持ちがあって、タイもちょっと悔しかった(54位タイ)。決勝ラウンドでいいゴルフができたというのは大きな収穫」。オフに注力したアプローチやパターが生きたことも、これからの本格シーズンを明るくしそうだ。
4日間を通して“大応援団”がエールを送り、それが力になった。「自分の記憶に残る試合。本当にたくさんの応援がうれしかったですし、そのお陰できょう頑張れた」。うれしい気持ちで胸をいっぱいにしながら、アジアシリーズ最終戦の中国へと向かう。(文・笠井あかり)