<HSBC女子世界選手権 2日目◇28日◇セントーサGC(シンガポール)◇6779ヤード・パー72>
週末のシンガポールでは、し烈な優勝争いが繰り広げられそうだ。世界ランク3位のリディア・コ(ニュージーランド)が、首位のキム・アリム(韓国)と1打差の2位まで浮上した。
初日は「71」だったが、渋野日向子との同組でプレーした2日目は「67」と快走。「アイアンショットが昨日よりよくなったし、自分のプレーが正しい方向に行っていると感じてる。パットがいくつか入ったのもよかった」と、その要因を挙げる。
シンガポールでも、多くの熱狂的ファンの姿を見つけることができる。ボードを掲げたり、写真入りのシャツを着たりと応援スタイルはそれぞれ。「私でも自分の写真が入ったシャツは持ってないの(笑)。シンガポールでも、どこでプレーする時でも、応援してくれる人たちがいることに、とても感謝している」と、その存在には頭を下げる。
そんなファンたちへ、“魅せる”プレーも。13番パー5では、残り230ヤードからの2打目にドライバーを握った。ただ、本人は「3番ウッドで届かなくても、ドライバーでミスしても同じこと。私にとっては珍しいショットではないの」と涼し気な表情。このアグレッシブなプレーを、バーディにつなげた。
昨年は夏のパリ五輪で金メダルを獲得し、ゴルフ殿堂入りも果たした。これは、「何事にも挑戦でき、新しいことに挑戦できる立場にあると感じている。考え方が少し変わった」と27歳にとって大きなできごとになった。ただ、今後の目標について聞かれると、「日曜日の最後にトロフィーを掲げられる人間であること意外の気持ちはない」と、きっぱり。一歩、一歩、進んでいった先に、大きなご褒美が待っていることを知っている。
そして、今週“トロフィーを掲げる”ためのポイントについては、「ここではパッティングが上手くいかないとダメ。飛ばし屋も、飛ばない選手でも、どちらも優勝できる。特定のタイプの選手に合うコースではない」と話す。つまりは総合力が求められるコースだ。
一方、トップを守ったキム・アリムは、「いつも言っていることだけど、結果は私の目標ではない。プロセスが大事」と、自然体を強調。日本勢もトータル4アンダー・5位タイに古江彩佳がつけるなど、戦況は混とんとしている。トップ選手のみが出場できる大会を最後に制するのは、いったい誰になるのだろうか?