先週行われた米国女子ツアー「ショップライトLPGAクラシック」の第2ラウンド前に失格処分がくだされた畑岡奈紗が14日、自身のインスタグラムに「私の考えを投稿させていただきます」という“意見書”を英語と日本語のそれぞれ1部ずつをアップ。ここで(1)ルールの曖昧さ、(2)違反の指摘と処分のタイミングについて、(3)映像による検証について―、と3つのポイントについて問題を指摘した。
【全文掲載】畑岡奈紗が失格に関し“3つの提言”を投稿「今回のようなケースが他の選手に起きてほしくない」
先週行われた米国女子ツアー「ショップライトLPGAクラシック」の第2ラウンド前に失格処分がくだされた畑岡奈紗が、自身のインスタグラムに「私の考えを投稿させていただきます」という“意見書”をアップした。
配信日時:2024年6月15日 01時17分
先週行われた米国女子ツアー「ショップライトLPGAクラシック」の第2ラウンド前に失格処分がくだされた畑岡奈紗が14日、自身のインスタグラムに「私の考えを投稿させていただきます」という“意見書”を英語と日本語のそれぞれ1部ずつをアップ。ここで(1)ルールの曖昧さ、(2)違反の指摘と処分のタイミングについて、(3)映像による検証について―、と3つのポイントについて問題を指摘した。
問題になったのは、同大会第1ラウンドで畑岡が最終ホールとしてプレーした9番。2打目をグリーン右のフェスキューに打ち込み、本人、同伴競技者やキャディ、その場にいた関係者らがボールを捜索し発見した。畑岡はアンプレヤブルを宣言しながらも、なんとかパーをセーブし、ラウンド後のアテスト(スコア申告)も問題なく終えていた。
しかしアテスト後に、そのホールにいた米国テレビ中継局の男性リポーターが、ボール捜索時間が、ゴルフ規則18.2aに定められている規定の3分を超えていたとLPGAに指摘。翌朝になり協会がテレビ映像を確認したところ、3分25秒かかっていたことが判明し、その後の処置に誤りがあったとして、第2ラウンド開始前だった畑岡に失格が通達された。
この時、畑岡は、「ルールはルールなので仕方ない」と前置きしたうえで、「同伴競技者やキャディさんに言われるなら納得もいくけど、その場しか見ていない外部の人に言われて、次の日こういうことになるのは納得いかないですね」などと話し、モヤモヤを残したままコースを後にしていた。成績上位や注目選手につくことが多い、テレビ関係者からの“密告”ということもあり、物議をかもしていた。
【畑岡奈紗の投稿全文】
『ShopRite LPGA Classicで失格となった件について』
少し日が経ってしまいましたが、先週のShopRite LPGA Classicで失格となってしまった件について、私の考えを投稿させていただきます。
今回、ボールを捜索するのに3分を超えていたことが発覚し、2日目の朝に失格を通達されました。3分を超えた認識は全くありませんでしたが、放送用の映像で3分を超過していることが判明したと聞かされました。良い結果を期待していただいたファンや関係者の皆様には大変申し訳なく思っております。今回の判定について異議を述べるつもりはありませんし、真摯に受け止めて次のツアーに臨むつもりですが、今回のようなケースが他の選手に起きてほしくないとの思いから、少し提案と提言をさせていただきます。
(1)ルールの曖昧さについて
規則上、「ボールを捜し初めてから3分以内」に見つけることができなければ、紛失したとみなされるとなっていますが、時間計測を開始するタイミング、誰がどのように計測するのか(誰が計測した時間を採用するのか)などは明確ではありません。
違反すれば結果的に失格にもなり得る重大なルールですので、可能な限り曖昧さを排除すべきですし、現実的に運用可能な環境を整備することが重要と考えますので、このような観点からルールの明確化が必要であると考えます。
(2)違反の指摘と処分のタイミングについて
今回の件では、私がスコアを提出し、同伴競技者も同意してアテストが完了した後に外部からの指摘で映像を使った検証がなされ、違反が確認されました。
冒頭で述べた通り私は制限時間の3分を超えてボールを探していた認識は全くなく、積極的にルール違反をする意図は全くありませんでした。スコア提出前に違反を指摘されていれば、ルールズに相談の上、正しい位置からプレーしたはずですし、そうしていれば失格にもならなかったはずです。
今回、違反の意図は全くない中で、外部からの指摘により映像での検証がスコア提出後に行われ、既に正しい場所からプレーしなおすことが不可能なタイミングで違反が指摘されたことは極めて残念で、大変悔しい思いでいっぱいです。このような意図的でなく、是正可能な違反行為については、適宜のタイミングで違反の事実がしらされるべきですし、これがルールズやツアーサイドから指摘されないままにスコアが提出されたのであれば、その後に外部からの指摘を受けて処分を下すことは避けるべきではないでしょうか。また、今回のように選手自身も同伴競技者も何ら違反を認識していないようなケースで、第三者からの指摘を受けて違反行為の検証がなされたことも、残念に思っています。恣意的なルールの適用がなされないようにするためにも、選手や同伴競技者の声が重視されるような仕組みを作ってほしいと考えます。
(3)映像による検証について
今回の件では、映像による検証がなされましたが、全選手の全てのプレーを撮影することは現実的ではないため、映像が残っていない場合には、映像による検証ができないことも想定されます。映像による検証を行うのであれば、あらゆるケースで実施できるよう環境を整えるべきですし、それができないのであれば、基本的には映像による検証は行わず、選手、同伴競技者、ルールズの間で解決していくべきであると考えます。
今回の件に関する私の考えは以上のとおりです。
次のツアーに集中して臨むためにも、本件については、この投稿以外にコメントするつもりはありませんので、ご理解いただけますと幸いです。
最後に、一緒になって必死で私のボールを探してくれた皆さまに心から感謝申し上げます。
本当にありがとうございました。
令和6年6月14日
畑岡奈紗
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