先週の米国女子ツアー「ブルーベイLPGA」でツアー2勝目、本格参戦後のルーキーとしてはわずか5試合目にして初優勝を飾った竹田麗央が、10日の飛行機で凱旋帰国した。あす地元・熊本県に戻るが、到着した羽田空港で取材に応じた。
優勝から一夜明けたいまの心境について、「優勝できてすごくうれしかったし、自信にもなりました。これからのゴルフが楽しみだなと思います。ツアーメンバーになってからの優勝だったので、それはすごくうれしかった」と語る。今季予定されている米ツアー34試合のうちまだ5試合が終わったばかり。「まだまだこれから、アメリカで試合が続くので、今度はアメリカで優勝したい」とすでに次を見据えている。
反響はもちろん大きく、LINEやダイレクトメールは「100件以上」届いた。「移動中、待ち時間とかで、全部返しました。きのうはチェックアウトの準備でバタバタしていたけれど、やっと返せたという感じです」と祝福の言葉を噛みしめている。
2打差をつけて迎えた最終日は、出だし4ホールで3バーディを奪取。5打の大量リードでサンデーバックナインへと入った。直後の10番は難易度が最も高いホール。グリーン左には池が構えるが、ピンを果敢に攻めて2メートルにつけ、バーディを獲った。「すごく大きなバーディだった。残りのホールも気を抜かずにいけば(優勝が)あるのかなというのは考えた」と勝負を決定づける一打に。そのまま逃げ切り、6打差の独走優勝だった。
ホールアウト後の“初体験”も格別だった。グリーン脇で見守っていた畑岡奈紗、山下美夢有らからシャンパンシャワーで祝福を受けた。「日本人の選手の方がたくさん待ってくださってうれしかった。初めてで思い出になりました。一口だけ飲みました」と振り返る。
米ツアーは2週間のオープンウィークを挟み、次戦の「フォード選手権」(27日開幕、米アリゾナ州)から米本土戦が本格化する。わずかなオフには「熊本で練習したい」と地元で過ごす予定。さらに、大谷翔平選手らが対戦するMLB東京シリーズの観戦も計画中だという。
そのあとには、日本ツアーの“凱旋出場”も予定している。スポンサー契約を結ぶ富士フイルムが冠を務める「富士フイルム・スタジオアリス女子オープン」(4月11日開幕、埼玉県・石坂ゴルフ倶楽部)が日本の今季初戦に。その後はそのまま渡米し、「JMイーグル・LA選手権」、メジャー今季初戦の「シェブロン選手権」と連戦になる予定だ。
「初めてシェブロンに出るのですごく楽しみ。そこに向けてまた調子を上げていけたらなと思います」。世界に存在感を示した、日本の“最強女王”。今シーズンに期待を膨らませながら、まずはこの一時帰国で疲れを癒すことになる。(文・笠井あかり)