<HSBC女子世界選手権 最終日◇2日◇セントーサGC(シンガポール)◇6779ヤード・パー72>
初日、2日目でトータル2オーバー・35位と出遅れていた畑岡奈紗は、3日目に4アンダーの「68」をマークして浮上。17位で迎えた最終日も「70」で回りトータル4アンダー・14位タイで4日間を終えた。
今週は自分の打ちやすさに合わせて新調したパターと挑んだが、自身のストロークなどに違和感を感じ思うようにできなかった。そこで、3日目の朝にアドレス時の重心位置を修正。「土日は自分の思ったところに打てていた」と、手応えを得ることができた。
この日、パーオンを外したのが3回とバーディチャンスの機会は多かった。「きょうはグリーンが重いと感じてコース上でアジャストできなかったのは悔しいですけど、少しずつ良くなっていると思うので、それを信じて頑張りたい」と悔いも残るが、来週に中国で行われる「ブルーベイLPGA」(3月6~9日)につながる4日間となった。
畑岡は昨年から新しいことに取り組み、ラウンド中に意識していることがある。「去年からメンタルコーチみたいなひとはいて、少しずつ取り組んでいます。前のミスショットをなるべく引きずらないように、いい顔をしてプレーできればいいなと心がけています」と18ホールの安定したプレー、好スコアを出すためにメンタル面を見直した。
国内ツアー5勝、米ツアー6勝を誇る26歳だが、これまではメンタルコーチなどのサポートを受けていなかった。「(ゴルフには)心技体という言葉がありますけど、結構フィジカル的にはトレーニングしてきたところもあって、技術もそうですけど。意外と心理的なところは専門的に学んだことがなかったですし、すごく足りないと思っていた」と、自身に足りないと感じたのは“心”の部分だった。
以前からも「引きずらない、引きずってもしょうがない。という気持ちはあったんですけど、なかなか切り替えるのが難しい状況もありました。そうすると次に影響が出てくる」とミスが出たときのメンタルコントロールに頭を抱えていた。いまはそのコーチのサポートを受けながら「とにかくいまは『次にできるベストショット』と考えてやるようにしています」と心がけている。
この4日間は最高気温35度を超えるなかで大変なラウンドとなったが、畑岡は平常心を保ちながら回っているような印象を受けた。それが初日の出遅れをトータルアンダーパーでの結果につながった理由の一つと言ってもいいだろう。「まだまだ課題はありますけど、徐々に良くなっていけばいいなと思います」。2022年の「DIOインプラントLAオープン」以来の米ツアー7勝に向けて励んでいく。
来週は初の中国戦。「去年は日本に帰って、ちょうどテレビで何ホールか見ていたんですけど、すごくグリーンのアンジュレーションがあるように感じて、風が強いことも何人かの選手からも聞いています。そういうところの準備をしっかりしていきたいです」と意気込んだ。
酷暑の続く一週間だったこともあり、「コースにはあした(月曜日)の夕方か、体調次第で火曜日からかなと思います」と体調と相談しながら次戦に向けて調整する。パッティングの好感触を中国の4日間で成果を出したい。(文・高木彩音)