＜LPGAドライブオン選手権　最終日◇26日◇スーパースティション・マウンテンGC（米アリゾナ州）◇6526ヤード・パー72＞

惜しくも1打及ばず単独3位で終えた古江彩佳だったが、ホールアウト直後には満足そうな表情も浮かべた。「すごくいいゴルフができて、バーディも最後に4日間のなかで一番多く獲れたのはうれしい」。7つのバーディを奪ってボギーはゼロの「65」。トータル19アンダーのクラブハウスリーダーでホールアウトする圧巻のプレーだった。

2オンを狙った2番パー5で、グリーン奥バンカーからの3打目を2メートルにつけて1つ目のバーディ。続く3番ではショットで2メートルにつけ、8番パー3では手前エッジから10メートル級のロングパットを決めた。

首位と1打差で折り返すと、10番をバーディとしてここで初めて首位の背中を捉える。順位は「なんとなくわかっていた」というなかでの後半のプレー。それでも最終組からは2時間ほど早いスタートで「うしろはまだまだホールが残っているので、自分もできるだけ伸ばさないとな」と果敢に攻めていった。

攻防戦が続くなか、14番をバーディとして優勝争いについていくと、17番パー3では「うまく打ってキャリーも計算通り。OKパットに近いところに寄ってくれた」と148ヤードを70センチにピタリとつけてバーディを奪った。

最終18番はティイングエリアが前に出て、2オンも狙える“獲りたい”ホール。ティショットをフェアウェイど真ん中に運ぶと、バンカー越えのグリーン左に切られたピンに対して、「欲を出さずに」右サイドに2オン成功した。20メートル超えのイーグルパットはラインに乗ってカップへ向かっていったものの、ほんのわずかにショートしてバーディフィニッシュ。それでも"安全”な2オン・2パットの攻めに「賢いバーディが獲れた」と単独首位でプレーを終え、後続を待つことになった。

この時点では後続と1打差のトップ。「（イーグルを決められていたら）もう少し安心できたかなと思う。でもロングパットだったので仕方ないかな」。結果的には優勝スコアは20アンダーで、プレーオフ進出には1打及ばず。“タラレバ”にはなってしまうが、ベストを尽くした完璧なフィニッシュだった。

「できることをできたらという気持ちだけでやれたのが、一打一打に集中できたかなと思います」。3日目に続き、この日もボギーフリーでのラウンドで、「65」は今季自己ベストスコア。19位タイからの浮上をみせた。前戦の日本ツアーは3位、その前週のシンガポール戦でも3位に入り、これで3戦連続トップ3。米ツアー2勝目の瞬間は近そうだ。（文・笠井あかり）