<ホンダLPGAタイランド 3日目◇22日◇サイアムCC オールドC(タイ)◇6632ヤード・パー72>
岩井明愛は、単独首位で3日目を迎えながら「71」と大きくは伸ばせなかった。これによりトータル16アンダーの2位に後退。最終日はトップのエンジェル・イン(米国)との5打差を追いかけスタートする。
序盤の2番、4番でバーディを2つ追加する上々の滑り出しだったが、折り返し目前の9番パー4でワナにはまった。「なんであんなにオーバーしたのか」。そう言って、セカンドショットに首をかしげる。
ティショットが右ラフに飛び込むと、残り180ヤードほどの位置からグリーンを狙った。「フライヤーも計算し、175ヤードぐらいに打つつもりで、飛距離160ヤードの7番アイアンを持ちました。そこまでいかないかなと思ったけど」。しかし、予想以上にこれが飛んでしまい、ボールは斜面の下に。そしてここでも頭を悩ませることになる。
寄せるために選んだのはパター。「(ウェッジで)アプローチをする方法もあったけど、フィーリング的にパターかなと。難しかったですね。あまり寄せる自信はなかったです」。これが傾斜はのぼりきったもののカラー付近で止まり、3日目にして初のボギーを叩いてしまう。そして、そこまで守り続けていた首位からも陥落した。
ただ、これも「いい経験です」と前を向く。後退したことについても「あまり気にしてないですね」と言い切った。トップとの差は開いたが、初日に大会コースレコードタイの『62』を出しているだけに、まだまだ勝負は分からない。
今季から米国ツアーに参戦し、ここが本格参戦後2試合目。もし逆転で米初優勝を手にすると、2010年の宮里藍以来となる日本勢による大会制覇となる。最終日最終組のひとりとして、3日目と同じく首位のイン、そしてジーノ・ティティクル(タイ)とともに日本時間午前11時27分に勝負のラウンドが始まる。
ジーノとは3日目も、簡単な英語でコミュニケーションも図った。「どんなスポーツをするの?とか。彼女はバトミントンやテニスをやるらしいです」。その周りには、3日目と同様に地元選手のジーノを応援する大ギャラリーが集まることは間違いない。ただそれも3日目のラウンドで“予習済み”。「逆にすごい楽しかった。日本より多い印象。自分の応援は少ないけどそのなかでプレーできてうれしかった」と話しており、問題はなさそうだ。
「まだどうなるか分からない差ですけど、そんなに考えずに自分のプレーができればいい」。ルーキーの優勝となると、2023年「ウォルマートNWアーカンソー選手権」を制したユ・ヘラン(韓国)以来のできごと。日本で数々の記録を打ち立ててきた双子の姉は、ルーキー初優勝に虎視眈々だ。(文・間宮輝憲)