<マイヤーLPGAクラシック 3日目◇17日◇ブライズフィールドCC(米ミシガン州)◇6638ヤード・パー72>
悪い流れを断ち切るバーディ。古江彩佳にとってそれが15番パー3だった。その表情はいつもと違っていた。
前半を4バーディとし、一気に後続を突き放す快進撃で単独首位を走ったが、後半に入るとティショットが暴れ出す。長い13番パー3ではティショットがバンカーにつかまりボギー。14番パー5はもう少しで2オンというなか、3打目を2メートル強につけたが、これを外して目に怒りの火がともった。
そんな不満を爆発させたのが15番。ティが前に出て距離は129ヤード。砲台グリーンに向かって打つパー3でピッチングウェッジを握った。ピンは右手前、ここで古江はピンをデッドに攻めた。「ドローがかかってグリーンセンターでもいい」。右端から5歩と、シビアなピンにまっすぐに飛んだ。
キャディの助言は“グリーンセンター”。「マイクはもっと左って言ったんですけど」と、安全ショットの勧めを振り払うようにピンを狙った。これがピン手前1メートルにつくスーパーショット。「怒ってましたね」という前2ホールのうっぷんを晴らす一打で、首位を守った。
その後16番、17番では珍しくドライバーが暴れ左へ。リカバリーはうまくいったが連続ボギーで首位陥落。最終18番パー5は2オンに成功しイーグル逃しのバーディとしたが、悔しさが残る。「あしたのぶんもボギーを打ったと思えば」と前向きに捉え、最終日は1打差から逆転で2勝目を狙う。「攻めていく」という言葉通り、この日の怒りをぶつけて勝利をもぎ取ってみせる。(文・高桑均)