<ホンダLPGAタイランド 事前情報◇21日◇サイアムCC パタヤオールドC(タイ)◇6576ヤード・パー72>
大会の冠になっているホンダ所属の双子プロ、岩井明愛(あきえ)と千怜(ちさと)は、同じく同社とスポンサー契約を結ぶ笹生優花と18ホールをラウンド。2年前の全米女子オープンを制したメジャー女王から、多くのことを学んだ。
初めて一緒に回る1学年上の先輩。姉の明愛は「スイングやボールの高さ、アプローチの打ち方を見てすごいなと思った。こうやって打つのかなとか、考えながら回った」、妹の千怜は「飛距離とラフからの打ち方(を見ていた)。私は力がなくて、(ラフから)どう打つのかなと思って見ていたんですけど上手でした」というプレーに見とれた。気さくに声をかけてくれたことにも感激したようで、「優花さんの存在でエネルギーをたくさんもらいました。話すだけで『もっと頑張らないと』って思えました」(千怜)と、とても貴重な時間になったようだ。
そしてこれは、ホンダがつないだ縁だ。今大会では岩井ツインズにカメラが密着し、初の海外ツアーを戦う2人の練習ラウンドの様子や、プロアマなど普段あまり見ることができない裏側を映像に収録し、今後ホンダのYouTubeなどにアップされる。その一環として、このラウンドが実現した。
スポーツ活動を強化している同社は、「挑戦をたのしむ」「挑戦をはぐくむ」「挑戦をつなげる」という考えのもと次世代を担うアスリートをバックアップしていく。こういった姿勢を打ち出すための“顔役”に注目ツインズを指名した。姉妹も「2人でトップ争いができたらかっこいい。テレビにたくさん映るように」(明愛)、「ゴルフを通じて、いろいろな人に私たちのことを知ってもらいたい。日本は強いと思ってもらえたら」(千怜)と、期待に応えるようなプレーを誓う。
すでに1週間以上をタイで過ごし、調整も順調に進んでいる。連日気温は30度を超えるが、これが「スイングしやすいし距離も伸びている。夏のような状態」(千怜)とコンディション作りには大きなメリットにもなっている。「日本にはない」という街の雰囲気も新鮮で、先週行った合宿の合間には、象や虎を見るなど現地ならではの楽しい時間も過ごした。海外生活を満喫している。
もともと海外志向の強い明愛は、「その思いが強くなった。楽しいですね」とノビノビとプレーできる環境が肌に合っていることを感じた。一方、将来的な海外でのプレーに対し「徐々にその気持ちになれば」と話していた千怜も、「いざ来ると、海外でプレーしているのはかっこいいと思ったし、世界で戦いたいと思わせてくれる環境です」と新たな感情が芽生えたようだ。ホンダのスポーツ活動のスローガンは『Honda Sports Challenge』。ここから挑戦の第一歩を踏み出していく。(文・間宮輝憲)