<LPGAドライブオン選手権 2日目◇26日◇ブレーデントンCC(フロリダ州)◇6557ヤード・パー71>
予選通過まで残り2ホール。この終盤に、それまで抱えていたショット面の不安が最悪の結果としてあらわれてしまった。今季の自身開幕戦を戦う勝みなみが後半8番パー5に入った時のスコアは、決勝ラウンド進出圏内のイーブンパー。しかし、そこでのティショットが“悪夢”の始まりになった。
ドライバーで放った一打は、大きく右に飛び出しOBに。ラインからわずか1ヤードほど外に出ただけだったが、その差に泣いた。ここが痛恨のダブルボギーになると、続く最終9番パー3ではティショットが今度はグリーン左に外れる。悪いことは続くもので、その後のアプローチはミスヒットになり、ボールは下り傾斜も手伝ってカップから遠ざかっていく。さらにそこから3パットを要し、連続ダブルボギーで一気にトータル4オーバーまでスコアを落とした。
朝の練習場では「すごくよくて、まったく気にしてなかった」というショットだったが、ラウンドに入ると違和感を覚えた。「ボールが少し左にあるのかな?と思って、最終ホールは右に置いたけど、感覚がずれている分『右に置き過ぎている』ように感じてしまった。クラブを早く落としたい気持ちになって、それが左に打つことにつながった…」。最後まで気持ち悪さを拭えないまま、18ホールが過ぎ去っていった。
この一日のプレーを、勝は“負の連鎖”と表現する。致命傷になったものの、8番のような右に出るミスに関しては気持ち悪さもなく受け入れられたという。とはいえ、そういったミスショットを避けようと“左へ”という意識が出た時、強烈な違和感に襲われる。
「左のミスは、手を使って左に飛んでしまっているので嫌。そうならないように体で振ろうとすると、今度は右に出てしまう。負の連鎖でした。右にふかしたくないホールで力が入って左に行き、次のホールは右に飛ぶ、という感じだった」
フェアウェイヒットは前日の6回を上回る9回だったが、“悪いミス”が出ると、どうしてもそればかりが気になってしまう。前半13番はバーディとしたが、ここはティショットが右の砂地に飛び、そこからなんとか奪ったもの。11番パー3で喫した最初のボギーも、グリーン左のバンカーに外したことがきっかけになっている。「悪いミスが出てしまったので、そこが気持ち的には『なんでだろう?』と思ってしまう。バーディを獲っても『う~ん』という感じで」。実際にバーディは5つ奪っているが、その事実が印象に残らないほど頭を悩ませる時間が続いた。
東京、そして地元・鹿児島で過ごした短いオフでは、ショットの状態が上がっていることを感じ取っていた。初日もパットがわずかに決まらずバーディなしだったが、ショットは好感触だった。そこに狂いが生じてしまった。
先週の開幕戦は過去2年間の優勝者しか出られない大会のため、勝にとっては今週が初戦だった。そして米ツアーの次戦は2月22日の「ホンダLPGAタイランド」と、再びカレンダーは空いてしまう。この1試合のために渡米しながら結果を残せなかったとあって、その悔しさはひとしおだ。
87位タイに終わったが、「出直して、次の試合に臨みたい」と前を向くことは忘れない。再び訪れる“オフ”は一度日本に戻り、今回の課題に挙がったショット、そしてパットからアプローチまで全体的な修正に励んでいく。
勝の次戦は2月15日~18日に行われる欧州女子ツアーの「サウジ女子国際」。さらにそこから再び日本に帰り、ホステス大会の「明治安田レディス ヨコハマタイヤゴルフ」(3月7~10日)、鹿児島で行われる地元大会の「Vポイント×ENEOSゴルフ」(3月15~17日)への出場を予定している。次に米国に戻るのは、本土戦が再開する3月末。そこで“好サイクル”を生み出せるよう、今回の結果を糧にする。(文・間宮輝憲)