<全米女子オープン 最終日◇2日◇ランカスターCC(ペンシルベニア州)◇6583ヤード・パー70>
4度目の“世界一決定戦”出場で、初めて決勝ラウンドに進出した西村優菜。上位浮上を目指した週末は連日の「72」でトータル11オーバー・39位タイに終わった。
「いやー、いいとこなしでしたね」とため息交じりの4日間。2日目の後半5番にトリプルボギーを叩き、続く6番はダブルボギー。2ホールで5つ落とし、予選通過は“絶望的”ととらえていたが、難コースを舞台にカットラインが下がったことで、週末行きの切符を手にしていた。
「正直複雑というか…。 自分がいいプレーをして通ったわけではないので。情けないプレーをした自分が許せなかったですし、他力本願というか」と悔しさをにじませながらの週末の36ホールも、その曇った表情は晴れなかった。
「いままでUSオープンに向けて作ってきたショットが、崩された感はありましたね。意識しているところはずっと一緒だったけど、それでもああいう球が出るか、という感じだった。そこからショットがブレてしまったかなと」。ティショットを左のブッシュに入れた2日目の5番をきっかけに、初の全米女子突破に向けて積み上げてきたものが、崩れてしまった。最終日のフェアウェイキープは50%、パーオンは56%。4日間を通してみても、全体平均より低い数値になってしまった。
今季はスポット参戦した国内女子メジャー「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」からショットの不調に試行錯誤を繰り返していた。前戦の「ミズホ・アメリカズオープン」で気づきを得て、開幕前の1週間のオープンウィークではそれを体に染み込ませてランカスターに入った。「せっかくいいところまで来てたのに、っていうのはある。しっかり調整して、またいいところに持っていかなきゃいけない。また1からかな」。次戦、そして次のメジャー「KPMG全米女子プロゴルフ選手権」を見据える。
ホールアウト後およそ4時間。西村は笹生優花が優勝する瞬間を見守り、渋野日向子、前回ランカスターCCで行われた15年大会覇者のチョン・インジ(韓国)と祝福のウォーターシャワーを浴びせた。「いやあ、素晴らしいですよね。4アンダーでタフなコースで勝てるのは実力者の証拠だと思う。すごいなと。刺激的です、すごく」。勝者を称えながら、今回の悔しさをすぐさま糧にする。