<ファウンダーズカップ 3日目◇8日◇ブレイデントンCC(米フロリダ州)◇6465ヤード・パー71>
2打差2位でムービングデーを迎えた勝みなみは、2バーディ・1ボギーの「70」と1つ伸ばしたが、トータル11アンダー・7位タイに後退。最終ホールのグリーンを下りる際には、唇をかみしめるような表情を浮かべた。「いい距離のバーディパットを何回か外したので、ちょっと悔しい。でも、風が強い中でスコアを落とさなかったことは、自分を大きく評価したい」と振り返った。
最終組のひとつ前からティオフ。ウェッジで2メートル前後につけた4番、6番でテンポよくバーディを奪い、一時は首位に並んだ。そんな流れが一変したのは8番パー5。2メートルのスライスラインが右を抜け、パーに終わった。
「耐えてバーディを取って、という感じでやっていた。(8番で)バーディを逃したのがきょうのキーポイント。アレを獲っていたら、もっと波に乗れていたと思う」。そこからスコアは停滞し、後半はノーバディ・1ボギー。“自然体”で構えるスタイルは貫けたが、パットの読みが合わず、上位勢についていくことができなかった。
首位との差は7打に広がったが、「全然巻き返せると思う。あしたもどんなコンディションになるかわからないので。とりあえず楽しくラウンドしたい」と大逆転Vへ気合は十分。終盤にはショット時のアドレスで「5ミリくらい」ボールに近いて構えることを意識し、「スッキリした感じはある」と手ごたえをつかんだ。ビッグスコアの予感もある。
上位争いの渦中にいるが、今夜帰宅すれば、大事な“仕事”が待っている。「料理する予定なんです。イカスミのリゾットを作ります。試合が始まる前から、私がいつ作るか決まっていたんですよ」。普段は帯同する母・久美さんが料理を担当するが、最近は娘もキッチンに立つ回数が増えている。日本から持参したソースに白ワインを加えるのが“みなみ流”。久美さんも大絶賛の逸品だ。
「本当にゴルフのことを忘れられるので、いいリフレッシュになっていると思います。ぜひ食べに来てください」。そう言って笑い、大逆転へのエネルギーを蓄える。(文・笠井あかり)