<全米女子オープン 事前情報◇4日◇ペブルビーチGL(米カリフォルニア州)◇6509ヤード・パー72>
「全米オープン」では過去6回、「全米プロ」では1回会場となっているペブルビーチ・ゴルフリンクスで、女子メジャーとしては初めて「全米女子オープン」が開催される。6日(木)に開幕する世界No.1女子ゴルファー決定戦に、日本勢は過去最多の22名が参戦。優勝争いに絡みそうな選手は誰なのか。BS松竹東急の大会中継で解説を務める石井忍に聞いた。
全米女子オープンに“過去最多”22名出場の日本勢 石井忍の推しは「動きに強弱をつけない」“絶対女王”
日本勢“過去最多”となる22名が参戦する今季メジャー第3戦「全米女子オープン」。BS松竹東急の大会中継で解説を務める石井忍の注目は?
配信日時:2023年7月4日 10時01分
<全米女子オープン 事前情報◇4日◇ペブルビーチGL(米カリフォルニア州)◇6509ヤード・パー72>
「全米オープン」では過去6回、「全米プロ」では1回会場となっているペブルビーチ・ゴルフリンクスで、女子メジャーとしては初めて「全米女子オープン」が開催される。6日(木)に開幕する世界No.1女子ゴルファー決定戦に、日本勢は過去最多の22名が参戦。優勝争いに絡みそうな選手は誰なのか。BS松竹東急の大会中継で解説を務める石井忍に聞いた。
■世界の勢力図をポイントランキングでおさらい
「世界ランキングはちょっとディレイがあるので、今シーズンのCMEグローブポイントランキングで見たほうが現在の勢力図がわかります」
現在のポイントランキング上位15名を見てみよう。
1位:コ・ジンヨン(韓国)
2位:イン・ルオニン(中国)
3位:リリア・ヴ(米国)
4位:古江彩佳
5位:アシュレー・ブハイ(南アフリカ)
6位:レオナ・マグワイア(アイルランド)
7位:ネリー・コルダ(米国)
8位:ジョージア・ホール(イングランド)
9位:セリーヌ・ビュティエ(フランス)
10位:キム・ヒョージュ(韓国)
11位:アタヤ・ティティクル(タイ)
12位:リン・シユ(中国)
13位:笹生優花
14位:ブルック・ヘンダーソン(カナダ)
15位:ユ・へラン(韓国)
世界ランキングでも1位のジンヨン、2位のルオニン、3位のリリアのトップ3はいずれも今季2勝を挙げており、ルオニンは2週前の「KPMG全米女子プロゴルフ選手権」を制したばかり。4位の古江は今季未勝利ながら、トップ10にいる選手では最多の13試合に出場しており、全米女子プロの8位を含むトップ10に6度入っている。これは、ティティクルの7度に次ぐ2位の数字だ。「古江さんはポイントランキングでは1位とは118ポイント差で、ほぼトップみたいなもの」。今シーズンの成績で考えると、古江は十分に優勝のチャンスがある。
そして、ポイントランキングを見てもわかる通り、ひと昔前は韓国勢が席巻していた米女子ツアーだが、「国籍が多様化してきています」と石井。エントリーリストを見ると、米国勢が最多の47名、それに続くのが日本と韓国の22名なのだ。「韓国とアメリカの2強時代ではない。本当に日本勢にも十分にチャンスはあると思います」。
2001年~20年までは20大会で韓国勢は優勝10回、米国勢は優勝7回と、ほぼ2カ国でタイトルを分け合ってきたが、昨年はオーストラリアのミンジー・リー、21年大会では畑岡奈紗とのプレーオフの末に、笹生優花がメジャー初優勝を飾っている。
■総合力と対応力が問われるペブルビーチで注目選手は?
「女子のメジャーで初めてのペブルビーチということで、日本人にも合いそうな気もします。10年にペブルビーチで行われた全米オープンでは北アイルランドのグレアム・マクドウェルが勝ちました。スイングがどうこうではなくて、コースと自然と対峙しないといけない。いつもに増してゴルフの総合力とか対応力が問われます」
そのなかで石井が「どこまでやるか一番興味がある」と注目しているのは、昨年の国内女子ツアーの年間女王で、今年もすでに4勝を挙げてポイントランキングトップを走る“絶対女王”山下美夢有だ。全米女子オープンは初出場となる。山下は現在、国内では平均ストローク1位、パーセーブ率1位、平均バーディ数1位、フェアウェイキープ率2位、パーオン率2位、平均パット2位…他の選手たちから見たらため息が出るような抜群の安定感を誇っている。
「圧倒的なショット力に加えて、ゴルフがシンプルなんですよね。動きに強弱をつけない。初日の朝イチでも最終日の最終ホールでもテンポが一緒で、どのシーンでもフラット。出力が変わらず同じテンションで打てる。シーズン序盤はらしくない感じもありましたが、いまはさらに磨きがかかったような気もしますし、僕は非常に注目しています」
また、日本勢のライバルになりそうな選手としてティティクルをピックアップ。「ポイントランキング上位の選手で今シーズン未勝利なのは古江プロと、ネリー・コルダ、ジョージア・ホール、キム・ヒョージュ、アタヤ・ティティクル。個人的にはティティクルが不気味です。何となく感じるものがあるんですよね」と話す。
続けて、「日本でも渋野プロは不調でしたけど、こういうところで活躍しそうな、何をやるかわからない感じはします」と、19年の全英覇者の名前も挙げる。渋野日向子は直近の全米女子プロで今季の米ツアーで初めて予選落ちを喫し、その前に国内で出場した2試合も予選落ちに終わっている。決して調子がいいとはいえないが、昨シーズンは72位に入った翌週の「シェブロン選手権」で4位、予選落ち翌週の「AIG女子オープン」(全英)で3位と、大舞台で強さを発揮した。
「本当に日本人は楽しみです」。古江、笹生、山下、渋野と日替わりで主役が現れそうな今大会。初日から目が離せない。
■石井忍
いしい・しのぶ 1974年生まれ。千葉県出身。98年にプロ転向し、かつてはツアープレーヤーとしてレギュラーツアーに参戦。現在は『エースゴルフクラブ』を主宰し、プロゴルファーやアマチュアの指導を行うほか、解説者としても人気を博す。
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