<ヒルトン・グランド・バケーションズ・トーナメント・オブ・チャンピオンズ 最終日◇21日◇レイクノナG&CC(米フロリダ州)◇6608ヤード・パー72>
畑岡奈紗の今季初戦は、週末に悔しさを味わうことになった。最終日はバーディが1つ止まりで、ボギーが3つ。さらに10番ではダブルボギーも叩いての「76」で、トータル1オーバーの22位タイに終わった。「きょうは厳しかったですね」と肩を落とす。
第1組の午前7時40分スタートだったが、早朝は肌を刺すような冷たい風がそのプレーを難しくした。いい手応えだった1番のセカンドショットが、予想外にグリーンの奥に外れるなど、ショットの距離感を探りながらのラウンドに。「いつもよりスイングスピードも落ちるので、スピンがうまく入らないところも何カ所かありました」。なかなかチャンスが訪れない。
パーオン数は4日間で最低となる10回。それでも、前日に「気持ち悪さがある。スライス(ライン)が入らない」と話したパット面は、上昇の兆しを感じることができた。
3日目終了後には、練習グリーンでレーザーつきの器具を使用してストロークを確認。「カットっぽい軌道になって、インパクトでフェースが左を向いているなと思った」。原因を突き止め、その修正を急いだ。まだ“一筋外れる”という場面は目立ったが、「ヒットしている感じは悪くない」と次戦へ向け光は見えた。
この開幕戦は、過去2年間のツアー優勝者しか出られない。昨季は未勝利だったため、来年のためには、優勝で出場権を“更新”する必要がある。冠スポンサーを務めるヒルトン・グランド・バケーションズのアンバサダーとして、またこのレイクノナをホームコースにする身として、不在にするわけにはいかない。
「この大会は特別。今年勝たないと来年以降は出られない。ここに戻りたいという気持ちがより強くなりました。絶対に今年1勝はして、また来年プレーしたい」。新たなシャフト、そしてパターも投入し、実戦のなかで今後の戦いへの準備も進めることができた。勝利を強く意識するシーズンは、始まったばかりだ。(文・間宮輝憲)