＜フォード選手権　初日◇28日◇セビルG＆CC（米アリゾナ州）◇6734ヤード・パー72＞

最終ホールに不運が待っていた。5つのバーディを奪って上位を走っていた西村優菜だったが、最後の9番ホールをボギーとしてしまった。理由はボールについた“泥”。2打目がグリーンを外れると、3打目のアプローチもスピンがきかず、無念のボギー。「半分しょうがないボギーだった」としながらも、少しだけ表情は曇る。

それでも4アンダーは決して悪くない。広々コースで距離も長いとくれば、ロングヒッター有利となりそうなところでも、得意の小技で耐えることができた。長いパットを何度も沈めるなど、要所でのナイスプレーで「全体を通していいゴルフができていた」と、焦らない作戦で1日を終えた。

長い距離が残るホールでも「自分のプレーに徹する」という姿勢は崩さず。米国女子ツアー2年目で、これまでの経験も生きている。「飛ぶ選手だとパー5でぜんぶで2つで乗ってきますし、最終ホールなんかはアイアンで乗ると思うんです」と飛距離差は承知の上。「私は最終ホール（18番）しか狙えないので、他はレイアップになっちゃう。そういった意味ではそこはビハインドがあると思うけど、それを気にしてもしょうがない」と周りに惑わされることなく、自分のスタイルを貫く構えだ。

とはいえ、初日から9アンダーが一人、8アンダーが5人というバーディ合戦で、ここからは追いかける立場。「最低限はできたかな」という初日のゴルフでは追いつかないことは理解している。「気持ちの持っていき方が大事」とあくまでも冷静なプレーを続けていくしかない。どこかで爆発することを期待しながら、5打差の32位タイから上位との差を埋めていく。